ある日、私と娘が外出から戻ると娘のドレスがありません。それに気づいた娘は大慌て!
留守番をしていた夫に尋ねると「姪っ子のほうが似合うからあげたよ!」と言います。娘はショックで大号泣! 黙って人に譲ってしまうなんて信じられません。
夫はシスコン
夫がドレスをあげたのは義妹の娘で、夫は義妹を溺愛しています。ずる賢い義妹は、夫が何でも言うことを聞くので、何かあるとすぐに夫を呼びつけるのです。
そんな義妹が離婚して、わが家の近くに引っ越してきました。それ以来、家族のお出かけには必ず義妹と姪が同伴するように……。家族の予定をキャンセルしてまで義妹の家に出かけることもあり、私と娘のストレスは溜まる一方でした。
しかし、私たちの気持ちに気づかない夫は、妹に頼りにされて本当に嬉しそう……。「2人を支えてやれるのは俺だけだ」と、妙な使命感に燃えています。
娘のドレスをあげたワケ
娘の留守中、わが家に遊びにきた姪が目をつけたのが娘のドレスだったよう。欲しいと言われたので、ためらいもなくあげたようです。
大泣きする娘に「離婚してパパがいなくなっちゃったんだから譲ってあげなきゃダメだぞ」と注意する夫には、心底呆れました。
娘はそれきり黙っていましたが、目には涙が溜まっています。
娘を我慢させるのは納得がいきません。私と娘は、夫をギャフンと言わせる作戦に出ました。
逆襲のとき
ある週末、夫が慌ててリビングに駆け込んできました。大切にしていたフィギュアがないと騒いでいます。
夫の趣味はヒーローのフィギュアを集めることで、これみよがしにトイレや玄関に飾っているのですが、その中の1つがないことに気がついたようです。
「赤い人形のこと? あれは友だちのマサトくんが欲しいっていうからあげたよ」という娘に、夫が怒っているのがわかります。娘を怒鳴ろうとした夫を制するように私は「マサトくんのママ、最近離婚したみたいで、パパと別々に暮らしてるんだって。譲ってあげなきゃね!」と、特大ブーメランをお見舞いしました。
これからの夫に期待…
身に覚えのあるやりとりに愕然とする夫。ここまでしないと自分の行動の愚かさに気がつかないなんて、残念でしかありません。うなだれる夫に、ドレスを返してもらうように言いました。
その後夫は、姪からドレスを返してもらい、娘に謝罪。その様子を見て、私は隠していたフィギュアを夫に返却しました。ベタな手かもしれませんが、マサトくんにあげたというのは、夫にお灸を据えるためのウソだったのです。
悲しませたことを夫に詫び、二度とこのようなことはしないと約束してもらいました。娘の信頼を取り戻すのは簡単なことではないと思いますが、父親としてしっかり向き合ってもらおうと思います。
人のものを勝手にあげてしまうのは、許されることではありません。これは、些細なものでも言えること。家族と言えど、相手の意思を尊重しなければなりませんね。