低カロリーな料理を拒むくせに、夫は以前のスレンダーでかっこよかった自分が忘れられないよう。
太って入らなくなった洋服を捨てることもせず、いつか痩せると口ばかり。機嫌が悪いと、太ったのは私のせいだと批判するようになりました。
毎日地獄
そんなある日、夫がわが家に同僚を連れてくることになっていました。宴会好きの私は、同僚を連れてくること自体は大歓迎です。
それに、私の作るお弁当が会社で評判だったと聞いて、俄然やる気が出ます。腕によりをかけて食事を作りました。
しかし夫は、同僚の前でも私の出す料理を酷評してばかり。「マズイだろ? 毎日地獄だよ」 と、みんなに同意を求めました。同僚たちは苦笑い。後輩は夫に逆らえず、うっすら夫の言うことに同意までし始めました。
それを見た私はなんだか情けなくなって、こっそりキッチンで泣きました。
横柄な夫
気を取り直してリビングに戻ると、夫はさらに調子に乗って、料理をゴミ箱に捨て始めました。夫には、食べ物や料理を作った人への感謝の気持ちがないのでしょうか。
このままでは娘へ悪影響を及ぼしかねません。もうこれ以上、夫と同じ空間にいたくないとさえ思ってしまいます。
同僚たちは夫の行動に呆れ、そそくさと帰ってしまいました。部下の前で気が大きくなる夫の性格を知っている同期が、これ以上状況を悪くしないように気をつかってくれたのでしょう。
しかし会社の人たちが帰った後も、夫は私を責め続けます。「みんなが帰ったのは私の料理がまずいせいだ」と言い、土下座での謝罪まで求めたのです。
私、料理作りません!
翌朝から、私は夫に料理を作るのをやめました。もちろん、お弁当も作りません。
「二度とあなたに料理は作らないから、安心して。これまでまずくてごめんね」 そう告げると、夫はブチ切れ。それでも食事をしないわけにはいかず、自分で朝食とお弁当を作りました。
しかし、まっ黒こげのぐちゃぐちゃでとんでもない出来。味付けの方法さえ知らなかったようで、おかずはかなりしょっぱかったようです。お昼どきには文句の電話がかかってきました。自分で間違えたのに、なぜ私にクレームをつけるのでしょう……。
夫のあまりの態度に、会社の人たちは私に同情してくれたよう。とある後輩は、勇気を持って夫に注意までしてくれたと聞きました。夫の悪評は瞬く間に社内に広がり、女性社員からは白い目で見られ、男性社員からも避けられるようになったようです。
これが本当の地獄の日々
頑固な夫はそれでもめげず、自炊したりコンビニで買ったり、外食したりする毎日を過ごしていました。
夫の料理はひどいもので、醤油や味噌、塩、マヨネーズなどの調味料のストックがものすごいペースで減っていきます。こんなに塩分をとっていたら、次の健康診断はアウトかもしれません。
案の定、健康診断では再検査。高血圧を指摘され、食生活を改善するよう強く言われたようです。これは夫の力ではどうにもできないでしょう。夫が泣きついてきたところで、私は離婚を切り出したのでした。
体のことを考えた食事作りは、案外大変なもの。ここまできて、やっと妻のありがたみがわかったのではないでしょうか。もう後の祭りですが、自分の行動や考えを見直してほしいと願います。