どうやら、妹は取引先の人から言い寄られているよう。その人物は、役付きの妻子ある50代の男性。妹は気がやさしいため強く出られず、頻繁に送られてくるメッセージにかなり疲弊していました。
わが家は両親が早くに他界したので、私が妹の親代わり。「ここは私が何とかしなくては……!」と日に日に弱っていく妹を助けるため、私は全面対決に望んだのです。
地獄に落としたい! ほどのとんでもないオヤジに…
私が機会を探っていると、あるときその男性は、妹をホテルに誘ってきました。自撮り写真まで送りつけてきて。しかしこれはチャンスだと思い、私は妹に代わって「もうニ度と連絡してこないでほしい」 と伝えました。すると「ホテルのバーに誘っただけだ、変な言いがかりはやめてくれ」と言ってきたのです。
下手な言い訳をしてきたまでは良かったのですが……。私たちに親がいないことをあわれみ、ひどい言葉をかけてきました。私が「送ってきたメッセージを妻子に見せることも可能だ」と伝えると、やれるものならやってみろと言う態度。自分が取引先であることをちらつかせ、妹の立場が悪くなることを暗に示してきました。
さらには私のことまで侮辱し始めてきたのです。私の写真を見たことがあったようで、2人一緒に面倒を見てもいいと、いやらしい目を持ち出してきたのです。その後私の年齢を知ったオヤジはババアとののしり、あざ笑ってきました。
男性は私たち姉妹のことを、親のいない貧乏家庭と思っており、大企業の役付き、かつ家は代々地主である自分を上に見て、圧力をかけてきました。挙げ句、妹を好きなようにさせたら100万円を私にこっそり渡すと言ってきたのです。妹のことを何だと思っているのか……。 かつて、ここまで人に馬鹿にされたことはありませんでした。私はこのとんでもない男性と、とことん闘うことを誓ったのです。
まさかの正体が判明!
男性と闘うことを心に決めていた間も、私と婚約者の結婚の話は進んでいました。
そして、私が婚約者のご家族にごあいさつする日。ここでとんでもない事実が判明したのです。なんと婚約者の父親が、あの妹に言い寄っていた男性だったのです。あいさつする暇も与えられずに私が追い返されたことで、婚約者も義母となる母親も驚いていました。
「貧乏人の分際で息子に近づきやがって」
「二度と顔見せるなよ!」
私が退席した後、男性からすかさず連絡がありました。本当に何もわかっていない人なのですね。
「あの、勘違いしてません?」
「は?」
私は婚約者とその母親に、すべて話すつもりであると伝えました。すると、妹のクビをちらつかせてきた男性。こんなことがあっても守ってくれない会社なら、こちらから願い下げだと伝えました。
男性が今度はお金で解決しようとしてきたので、私は「私たちが貧しいと思っているのはそちらの勝手な勘違いである」と丁寧に伝えました。そして、その男性の会社の会長は、私のゴルフ仲間。妹はおそらくクビにはならないことを告げました。
すべてを手放し、生き直す
今回の件が明るみに出たことで、婚約者家族は大騒ぎ。夫がとんでもないセクハラをしているだけでも大ごとなのに、地主家系である妻の不動産収入を無断で大金使い込んでいたこともわかり、離婚するしないの大事件に発展しているそうです。ちなみに、婚約者の彼は怒りながら「縁を切る」と宣言していました。
男性からは、せめて会社には何も言わないでくれと懇願されましたが、これほどのことをされてきた私たちが、会社に言わないわけありません。絶対に許さないという姿勢を最後まで崩さず闘った私は、とんでもオヤジをきっちり成敗。離婚して得た財産分与のお金から、がっつり慰謝料を支払っていただきました。残りのお金で老後を乗り切ることは難しいでしょうが、自業自得ではないでしょうか。
私は状況が落ち着いた後無事結婚し、今は幸せに暮らしています。また妹は元気になり、今まで通りしっかり働いています。
妹に迫っていた男性が婚約者のお父さんだったのは驚きですよね。しかし、そんな事件がありながらも、婚約者も味方でいてくれて、無事に結婚することができてよかったですね。そして最後まで自分の保身に走った婚約者の父ですが、なぜこのような状況になってしまったのか、過去の自分の言動を見つめ直し、反省してほしいですね。