私は大好きな漫画の仕事をしながら、家事も頑張る兼業主婦でした。結婚して3年、妊活も頑張っていましたが、子宝には恵まれませんでした。そして、孫をなかなか抱かせてもらえない義両親や役立たずの私を養わなくてはならない夫、彼ら義家族の不満を拾ってきては、ことあるごとに義妹が私に報告してくるのです。
出ていきます♪
ある日、義妹が「兄はお義姉さんを愛していないと言っている」と言ってきました。つまり私に出ていってほしいと言うのです。私なりに精一杯家族を支えてきたつもりですが、誰一人として私が役に立っているとは思っていなかったということですね。これからは、義妹が家族の面倒を見ようと思っているとのことでした。
そこまで言われたら、嫁の座に居座るつもりはありません。私は夫とすぐ話し合いをしました。次の日、離婚が決まったことを聞きつけた義妹が、またしゃしゃり出てきました。
「寄生虫のお義姉さ~ん」
「兄に捨てられたんですよね」
「さっさと実家から出てってください~」
義妹は、何も知らないのです。家族の面倒を見るということが、どういうことか。また、私がどんな面倒の見方をしていたかを。
「どうなっても知らないよ?」
鬼電!
義妹は知らなかったのですが、私はソーシャルメディアを使って漫画を発表していて、義妹よりも上の収入がありました。そのため、義実家の生活費も家のローンも私が払っていたのです。義家族はみんなギャンブル好きの浪費家で、貯金はゼロ。もちろん将来義妹が相続するお金も、一切ありませんでした。
義妹はこれらの事実を初めて知って、がく然としていました。見下している嫁の私に養われているなんて、思わなかったのでしょう。
しかし、私にとって残り20年のローンから逃れられたことは、結構な開放感でした。私はすがすがしく家を出ました。
それから1カ月たったある日、私は義妹から鬼のような着信を受けました。義妹の稼ぎでは生活費の支払いで手一杯だったらしく、ローンの支払いが滞っているらしいのです。家を差し押さえされてしまうと焦った義妹は、私に借金を申し込んできました。
実は、義家族には相当額の借金があるらしく、彼らの稼ぎは借金の返済をするだけでやっとだったそうなのです。
心身の健康を保つために…
義妹は、私のときのように家事まで押し付けられているようでした。感謝されないのに、身も心もボロボロになりながら睡眠時間を削って働き、私がいなくなって、私の苦労が身にしみているようでした。
自身が追い出した私に、今さら戻ってきてほしいと懇願するのは都合が良すぎます。しかし、もう彼女には私しかすがる人がいないようでした。……もう他人ですし、助けることはないけれど。私をよそ者扱いしていじめてきた義妹ですが、よそ者以上に家の状況を理解していなかったのは彼女だったのです。
結局、義家族は一家離散となったそう。義妹に追い出されずにいたら、私は今どうなっていたことか。あのとき追い出されて良かったと、今では心から思います。
一緒に生活していたころには気が付かなかったお義姉さんからの助けを知り、義妹さんも改心してくれたのではないでしょうか。また一緒に暮らすことは難しいですが、それぞれ幸せになってほしいですね。