「ぼく、この人と…」息子の不思議な発言
息子が指さした写真に写っていたのは、私の祖母。息子にとっては曾祖母にあたる女性です。私が息子をみごもる少し前に、祖母は他界していました。だから息子が会えるはずはないのです。
似た人でもいたのかな?と思って詳しく聞いてみると、「ぼく、この神様と一緒にママのところへ来たんだよ」と息子。
そして、息子は洋服の裾をめくり、「神様にこれついてたから『いいな』って言ったら、くれた」「おそろいなんだよ」とおへその左下に生まれつきあるあざを指さしたのです。
その瞬間、晩年の祖母がその位置にストーマをつけていたことを思い出しました。ストーマとは、手術によってつくられた便や尿の排出の出口のこと。赤い色をしています。息子のおなかの同じ位置にあざがあることが偶然とは思えず、不思議な気持ちになりました。
驚いた私は母にそのことを電話で話しました。すると、母は「そんな気がしていた」と笑っていました。息子の生まれつきのあざは、おへそのところだけでなく、鎖骨、右ひざにもあったのです。それはすべて祖母の手術痕が残っていた場所でした。
「神様とおそろいなんだよ」と誇らしげに語る息子。祖母が今も私たち親子を見守ってくれているように感じられて、とても幸せな気持ちになりました。
しかし、現在5歳になった息子に「もう一度この話を聞かせて!」と言っても、「何の話?」と言われてしまうのでちょっぴり残念です。また思い出してくれるのを願うばかりです。
著者:橘はなえ/3歳、5歳を育てる二児のママ。好きな言葉は他力本願、好きな言葉はイケメン。
イラスト:まげよ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年7月)