うわさの高級タワマンへ…
マウントママはタワマンに着くなり鼻高々。建物を指差して、自慢話を始めました。最上階には住民専用プールがあるのだとか。
それだけならまだしも、私たちを見下して「貧乏人はビニールプールか市民プールだよね」と言いだす始末……。私たちが微妙な反応をしていると、マウントママは私たちがタワマンの豪華さにびっくりし、あっけにとられていると勘違いしたようです。
これ以上自慢話が続くのは苦痛なので、私はカバンからカードキーを出し、マンションのドアを解錠。先陣を切り、エレベーターホールへ向かいました。
自分のものとは違うカードキーでさっそうと入っていく私を見て、マウントママ友はキョトンとしています。そして、私たちが乗ろうとするエレベーターを見て度肝を抜かれたよう。私が呼んだのは、最上階専用エレベーターなのです。
着いた先は、もちろん最上階。ドアが開いたとたん、ハウスキーパーさんたちがいつものようにお出迎えしてくれました。実は私もこのタワマンの住民。持っていたカードキーは高層階専用のものです。
市民プールは貧乏人のもの?
マウントママは目を丸くしていて、いい気味です。でも、もう少し懲らしめてやらないと気が済みません。私はみんなでプールで遊ぼうと提案しました。
「うちが遊びに行くプールは、ここだよー♪」 と娘。私がみんなを誘ったのは、市民プールです。滑り台や流れるプールもあって最高! タワマンのプールもいいですが、子どもにとっては少し退屈……。やっぱり遊べるプールが楽しいようです。
マウントママの娘も「うちのプールより楽しい!」と上機嫌! マウントママは悔しそうに体を震わせていました。
「子どもが楽しく遊べるのが一番!」というのが私の方針。市民プールだってバカにできません。子どもたちの笑顔が答えではないでしょうか。
マウントをとったワケ
自慢してばかりいたマウントママでしたが、自分の愚かさにやっと気付いたよう。私たちに謝ってくれました。
どうやら彼女は幼稚園に入る前にママ友いじめに遭っていたそうで、今回はなめられないように虚勢を張っていたと話します。お金があるほうが偉いという思い込みも、私を見て変わったと言ってくれました。
それ以降、彼女は人が変わったようにおとなしくなり、周囲の人にマウントを取ることもありません。市民プールで遊んでいるところもよく見かけるようになりました。
タワマン住民専用のプールに入れるから位が高い、市民プールは貧乏人のもの……そんな決めつけは本当に損です。偏見は持たずに「良いものは良い」を認めて、暮らしていきたいですね。
【取材時期:2024年8月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。