「どうして会わせてくれないの?」
娘の1歳の誕生日が迫っていたある日のこと。珍しく義母から電話がかかってきました。ドキドキしながら電話をとると、義母の口から出てきたのは私をねぎらう言葉。そして娘の成長を気にかけていました。
だんだんと違和感を覚えた私。しばらく話をしていると話が食い違うようになりました。どうやら義母は、私が娘と義父母を会わせないようにしていると思っているのです。
どうして会わせてくれないのか、一目だけでも孫の顔を見せてほしいと涙ながらに懇願する義母に、私は言葉を失ってしまいました。
私は、義母にこれまでの夫とのやりとりを説明。すると、義母もこれまでにした夫とのやりとりを明かしてくれました。なんと私たちと義両親を引き離していたのは、他でもない夫だったのです。
ちょうどそのとき娘が泣き出してしまい、その日、たまたま遊びに来ていた実母に電話を代わってもらいました。私が娘を寝かしつけている間に、何やら母親2人で話をまとめたよう。
秘密の作戦をたて、夫の思惑を突き止めることにしたのです。
両家でひと芝居!
作戦決行は次の週末。私の両親が遊びに来る日でした。そこに突然現れたのは、なんと義父母! どんな顔をするか夫を見ると、真っ青になっていました。
孫に初めて会えるとハイテンションになっている義父母を前に、私は驚き「本当に子どもがきらいなの? 信じられない」と夫に尋ねました。すると夫は、突然得意げな顔になりました。自分が説得したのだと鼻高々。よくもそんなにスラスラとウソがつけるものだと、感心しました。
そこで出てきたのが私の父。「顔を見せるなと言っていたのに、どのツラ下げてここに来たんだ」「子どもがきらいなら孫に触るな」と、夫から聞かされたことを次々と投げつけました。
それに対して義母は「私たちには会わせたくないってどういうこと?」「私たちの存在が子どもの教育に良くないなんてひどい」と私を責めます。それを見てオロオロする夫。
「どういうことか説明しろ」とみんなで夫に詰め寄りました。
夫の魂胆にびっくり!
シュンとした夫が少しずつ話し始めます。どうやら夫は悪い上司に入れ知恵されたよう。
あまりにも孫をかわいがりすぎた上司の親は、遺言書を作成し、孫にも遺産を分けたのだとか……。もらえるはずの遺産が減ったとこぼす上司のアドバイスもあり、危機感をつのらせた夫は、義両親と娘を遠ざける作戦を立てたのでした。
要するに、溝を作ることで孫への愛情をなくし、自分が十分に遺産をもらえるように企んだのです。
夫のバカな計画を知り、義父母はきっと嘆かわしく思ったことでしょう。そして、この機会に遺言書を作成する気持ちになったようです。遺産は夫の手に渡らないようにするとのことでした。
私は遺産には興味がないので、何ら問題はありません。ただただ夫に呆れるばかりです。ただひとつ良かったことは、義両親と娘がやっと対面を果たしたこと。娘のことをかわいがってくれる人は1人でも多いにこしたことはありません。
孫の成長をこれからも見守れると知った義父母も大喜び。夫のどうしようもない嘘に早めに気付けて良かったです。
子どもは両親はもちろん、きょうだいや祖父母など、まわりのたくさんの人からの愛情や影響を受けて成長します。家族や地域のつながりが、昔に比べて希薄になっている昨今ですが、今を生きる子どもたちもあたたかな愛情をたくさん受けて、健やかに成長してほしいと願います。
【取材時期:2024年8月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。