かわいい後輩からの相談
A子からの相談は2つありました。1つ目は、「料理が上手になりたいため、先輩の分もお昼のお弁当を作るので食べてもらいたい」というもの。なお、料理がうまくなりたい理由は、好きな人のためとのこと。私はもちろん承諾し、「それなら私もお弁当を作ってくるから、2人で交換して食べよう!」と提案しました。
そして2つ目は、最近、会社の同僚であるB男に付きまとわれて困っているそう。彼は私の同期で、仕事のためだと言ってA子に対してプライベートを探るようなメッセージを連打したり、A子がランチに行こうとすると勝手に付いてきたり、次第につきまとい行為がエスカレートしつつあるといいます。
「B男か……」と私はため息をつきました。彼は同期の間でも有名な問題児。勝手に私たちのデスクにストックしていたお菓子を盗み食いするなど、30歳とは思えないほど幼稚な人物なのです。私はひとまず、「彼に注意しておくね」と言いました。
B男が私のお弁当を!?
こうして、お弁当を交換し一緒にお昼を食べるようになった私たち。ある日、仕事が先に一段落した私はデスクにお弁当を置いて、給湯室に飲み物を取りに行きました。しかし戻ってきてびっくり。なんと私の席で、B男が勝手にお弁当を食べていたのです!
「ちょっと、それ私のお弁当!」
「今日はコンビニに寄れなくてさ。ちょっともらったよ。A子ちゃんは恥ずかしがって、ランチに誘ってもなかなかOKしてくれないしなー。しっかしお前、毎日こんな冷凍食品ばっかりの貧相な弁当食ってんの? 味付けもイマイチだし、色どりも最悪。不合格だな!」
B男は私のお弁当をバクバク食べながらダメ出しをしてきます。
「30過ぎのおばさんがこんなんじゃ、嫁の貰い手もいねーぞ。俺が審査してやるから、これから毎日作って持ってこいよ」
上から目線のB男にブチギレた私は、正直に本当のことを言ってしまいました。
「そのお弁当、作ったのは私じゃないわよ」
私の言葉に、B男がいぶかしげに顔を上げると……。
お弁当を作ったのはA子!
そこには、怒りの表情を浮かべるA子の姿が!
「そのお弁当は私が作りました。冷凍食品ばっかりで悪かったですね! でも、あなたのために作ったんじゃないから!」
これまでのウップンが爆発したのでしょう。A子はB男を指さし、彼の悪行を次々と指摘し出したのです。
「もう許せない。先輩だからと我慢してきたけど、もう限界です。用もないのにいつも付きまとってこられて、私の仕事が全然進みません! 残業を押し付けておきながら、本人は仕事もせず横でしゃべりかけてきて邪魔ばかり。それなのに、私の指導をしたという名目で残業代を稼いでいるのも知っています!」
「そっ、それは……」
「それに、社員の私物のお菓子や来客用のお茶を少しずつ持って帰っていることもバレていますよ! 挙句に、他人のお弁当を盗み食いし勝手に評価してあざ笑うなんて、人として最低です!」
「A子ちゃんは婚約者のために料理を頑張っているのにひどいわよ」と、私もA子に続きました。
悪事が知れ渡ったB男は…
「こ、婚約者!?」と驚いた表情のB男。
「そうよ、知らなかったの? A子ちゃんは私の兄と婚約してるの。だから、あんたの行為は迷惑でしかない。あんまりひどいようなら、総務部に訴えるつもりよ」
A子も最後のトドメとばかりに叫びます。
「ケチなパクリ男が、人のお弁当を不合格ですって? あなたこそ不合格っ!」
そのとき、騒ぎを聞いて部長が登場。「つまり、B男くんは同僚の私物を勝手に取っていたということか?」と質問され、私とA子は事情を説明しました。
「最近、社内でいろいろなモノが紛失していると総務部から相談があったところだ。詳しく話してもらおうか」
こうして、B男の行為は社内中の知るところに。彼は上司や同僚たちから白い目で見られることが耐えられず、辞職して故郷に戻っていったのでした。
その後、A子は私の兄と無事結婚。兄は毎日家に帰ってA子の手料理を食べるのが楽しみで仕方がないそうです!
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