友だちの結婚式に娘を連れて行くと言って聞かない夫。娘は生まれてから半年も経っていないというのに……。
ため息が出てしまう夫のイクメンアピール
結婚式当日――。
娘が泣くたびに、「おむつかも」「ミルクかも」と言って娘を会場から連れ出す夫。その直後に、私のスマホにかけてきて「早く来い!」と命じるのです。
「俺がおむつ替えや授乳なんかできるわけないだろ!」「俺がやってないってこと、バレないようにしろよ」
夫のイクメンアピールに使われた娘もぐずぐずがおさまりません。しかも、夫は「今日俺はこのまま二次会に行ってくるから、お前は披露宴が終わったら娘を連れてとっとと帰れよ」と言うのです。
私はため息をつきながら、「終電では帰ってきてよね」「朝まで飲んでるイクメンパパなんていないわよ」と釘を刺しました。
偽イクメンパパの育児疲れ……?
数時間後――。
「いきなり連絡してすみません!」と夫の同級生を名乗る女性から連絡が。「夫さん、二次会で潰れちゃって……」と申し訳なさそうに言うので、私も「こちらこそご迷惑をおかけしてすみません!」と平謝り。
「いつも仕事と育児に追われて疲れてるらしいし、仕方ないですよ~」「こういうときくらい、お酒は許してあげましょ、ね?」と言われて、私はウンザリ。どうやら、夫は二次会でも自分のイクメンっぷりを饒舌に語っていたようです。
「子ども好きなイクメン旦那さんって憧れですよねぇ~!」という女性に、「あれはみなさんの前だからで、家ではまったく手伝ってくれませんよ」と返した私。
すると、その女性は「そういう意地悪を言う奥さんは嫌われちゃいますよ?」「家族のために働いてくれてるだけでも素敵なのに、そんなに愚痴ばかり言われてるなんてかわいそう……」と言い出したのです。
おまけに、「奥さん、意外と大したことなかったし……」「こんな意地悪な嫁が待っている家に帰るのが嫌だから、潰れるまで飲んじゃったのかもしれませんね?」と女性。
「もう私が彼のことを介抱してあげようかな~」と言う女性に、「生まれて半年もたっていない子どもを連れての酔っぱらいのお迎えは無理なので、どうぞご自由に」と言って私は電話を切りました。
お引き取りありがとうございます!
3カ月後――。
夫の同級生の女性から連絡が。結婚式の二次会で夫を介抱してくれたらしいので、私はとりあえずお礼を言いました。しかし、その女性は私に用があるようで……?
「私、同級生の彼との子供を妊娠したの♡」
「責任とって結婚してもらうから奥様は子供と出てって」
「いいの?ラッキー!!」
「え、悔しがってよw」
結婚式のあと、夫と男女の仲になったらしい女性。「思ってた反応とは違うけど……育児も家事も完璧な彼はこれで私のものよ!」と言う女性に、「育児丸投げの夫のこともらってくれて本当にありがとう!」とあらためてお礼を言った私。
前々から準備していた離婚届を引っ張り出して、私は嬉々として記入を進めます。女性は戸惑ったように「ねぇ、負け惜しみよね?」と言ってきましたが、私は心から喜んでいました。
「彼は本当に家事も育児も一切しませんから!」「友だちの前ではイクメン気取ってますが、実際は私のワンオペですし……」「私の話は信じなくて構いませんから、ぜひ自分の目で確かめてみてくださいね!」
その後――。
私は間に弁護士を入れて、夫と離婚。元夫とその同級生には慰謝料を一括で支払ってもらいました。元夫にはもちろん毎月養育費を振り込んでもらうことになっています。
1カ月ほどして女性から私に泣きの電話がありました。本当に元夫が何もしてくれないこと、つわりがひどいのに労わってもくれないこと、略奪したことで両親に絶縁されたことなどを騒ぎ立て、私に助けを求めてきました。これを自業自得と言わず何と言うのでしょうか。私に助けることはできないので、もう連絡はしないでと伝えて電話を切りました。
今、私は実家に戻り、両親のサポートを受けながら穏やかに暮らしています。こちらで暮らし始めて、元夫がどれだけストレスになっていたかがよくわかりました。シングルマザーは大変なことも多いと聞いていますが、精一杯がんばっていこうと思っています。
【取材時期:2024年8月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。