結局、まさかの「休憩時間ゼロ」という事態に陥ってしまったのです……!
つらいときに私を救ってくれたのは…
小学校の教師というのは、スタミナがあってパワフルな人が多い印象です。私も小学校の教師をしており、妊娠中は精神的にハードだったのですが、体力があまりないため、肉体的にもかなりハードでした。
そこで、妊娠中ということを考慮いただき、学級担任外の仕事に就かせてもらえることに。何人かの学級担任の先生方のサポートをすることになったのです。そのことはとてもありがたかったのですが、忙しい学級担任には、授業時間のサポートだけでなく、授業のない時間にもサポート業務を振られたため、私の休憩時間はまったくない状態に。正直、配慮がないように感じて、悲しくなってしまいました。
そんな状況を気づかってくださる先輩の先生が1人だけいました。
「あまり無理せんでいいよ。周りの先生たちは、タフ過ぎるとだけん。自分は、妊娠中もハードな業務を乗り越えてきたけん他の人も大丈夫って、自分の価値観を押し付ける人たちばっかりだけん。キツイときは、私に言ってよかよ。いつでもサポート業務を減らすけんね」
先生のこの言葉にとても救われました。
その後、産休に入る前の日に不正出血して入院になった私。サポート業務をさせていただいた学級担任の先生方からは何の見舞いの言葉もありませんでした。やさしかったただ1人の先生も、私の復職を待たずして転勤に……。
モヤモヤが残ったまま産休に入った私ですが、転勤になった先生の言葉を思い出しては励みにしています。そして私は「自分が大変だったから大変で当たり前」と思うのではなく、転勤した先生のように、状況に応じた配慮ができる人間、そして温かい言葉がかけられる人間になりたいと思いました。
◇ ◇ ◇
妊娠中は健診などのために早退したり、体調不調のために時差通勤を申し出たりすることは法律的にも認められています。職場に理解を求めるのは大変かもしれませんが、自分の体調など、きちんと説明しておくことが大切ですね。また、健診などで体調不良が認められる場合は、医師に母子健康手帳にある「母性健康管理指導事項連絡カード」に記入をしてもらい、職場に提出しましょう。雇い主側は記載事項に応じて勤務時間の短縮、業務の軽減、休業などの措置を取らなくてはなりません。無理をしすぎると、切迫流産・切迫早産などにつながることも。妊娠中はつらくなったら体を休めるということを心がけましょう。
著者:月野うさぎ/40代女性/1歳と5歳の2児を育てる母。小学校教諭。趣味はドラマ鑑賞と裁縫。
イラスト:きりぷち
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年8月)