弁当持参で何が悪いの?
昼休みにお弁当を食べていると、同僚が私に話しかけてきました。「今日も貧乏人は節約弁当? 私たちはカフェのランチに行ってくるね。お金が貯まったら一緒に行こうね!」と、弁当持参の私をバカにしています。
子どもの将来のために節約しているのだと伝えても「貧乏を隠したい気持ちはわかるけどバレバレよ?」と聞く耳を持ちません。
どう思われてもいいのですが、せめて私に絡むのはやめてほしいのです。
スルーしたい私。しかし夫は…
ある土曜日、夫と娘の3人で出掛けていたところ、同僚にバッタリ! ここでも「私服も地味なのね〜節約ってつらい」と私に絡みます。
さらに同僚は、すぐ近くに建っているタワマンを指差し「ここが私のうちなの」と自慢げ。私が黙っていると「驚いて声も出ないわよね。庶民には絶対買えないもんね」といつも通り、私を見下す言葉をかけてきたのです。
それを聞いていた夫が話を遮り「いつもお世話になってます」とにっこり。いつの間にか、明日わが家に招待するという約束を取り付けていました。正直同僚を家に呼ぶのは嫌でしたが、夫が声をかけたなら仕方がありません。
同僚は私の家に興味津々です。どんなに貧しい家に住んでいるのか、見てやろうという気持ちが目に見えています。明日、同僚が住むタワマンの前に迎えにくると約束して、別れました。
同僚に隠していた秘密
翌日、私がタワマンの前で待っていると、目を丸くした同僚が現れました。目線の先には、夫の趣味で乗っている高級外車。見栄のためにレンタカーを借りたのではないかと思った同僚は、チラリとナンバーを見ていましたが、正真正銘夫の車です。
車を走らせること20分後、到着した私の自宅を見た同僚は「ここが自宅!?」と驚きを隠せないようでした。
無理もありません。私の家は祖父母から譲り受けた広大な土地に建てた一戸建て。こだわりが詰まった注文住宅で、見た目もかなりオシャレなのです。
タワマンのような景観はありませんが、庭の家庭菜園では野菜を育てることができ、BBQやちょっとしたキャンプもできます。
タワマン・戸建て論争…結果は?
同僚はマウントを取ろうとしましたが、見下すようなところはもはやありません。逆に私から戸建てマウントを取られるのではないかと思ったようで、身構えているのがわかります。
しかし、タワマンと戸建て、それぞれにいいところがあって優劣はありません。もちろん私はそんなマウントを取るつもりもないのです。何も言わず、ただただおもてなしをする私に、同僚は反省したようでこれまでの態度を詫びてくれました。
翌日から会社での面倒な絡みはなくなり、集中して業務ができるようになりました。最近は節約方法を教えてほしいと言われて、週末には料理やお弁当の作り方を教えています。節約術の情報交換ができるのは、とても嬉しいこと。節約の大切さがわかってもらえて何よりです。
人によって価値観は異なります。タワマンや高級ランチを喜ぶ人もいれば、そこに価値を感じない人もいるのです。他人と比較せず、自分にとって大切なものを守り続けることが重要なのだと、改めて感じさせられますね。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。