在宅勤務は内職?
結婚前のこと。私が義母にあいさつをしたとき、義母は「女が働くなんて……。亭主の稼ぎが少ないって周囲に言っているようなものでしょ!」と眉をひそめました。
しかし夫は、義母に仕送りをするためにも共働きの必要があることと、結婚に反対するなら絶縁も辞さないことを説明。すると義母は仕送りが途絶えることを恐れ、渋々私たちの結婚を認めたのです。その後、私は「あの人と顔を合わすとろくなことにならない」と思い、できるだけ義母とは会わないようにしていました。
そんなある日、私が洗濯物を干していたとき、何とマンションの前に義母の姿が! ベランダにいた私の姿を見ると一瞬で鬼の形相になり、インターホンへダッシュしたのです。
「あなた、仕事は? 仕送りのためっていうから働くことを認めたのに、家でのんびり洗濯物を干しているなんて!」と玄関口で怒鳴り散らしたので、私は自分が在宅勤務であることを説明しました。
すると「は? 在宅……? 内職ってこと!? じゃあ大した稼ぎはないじゃない! 今から役所に行ってさっさと離婚届を書きなさい!」と大騒ぎ。あまりの大声に、隣人が警察を呼ぶと言うと、ようやく義母はその場を立ち去りました。
月11万円の稼ぎなら離婚!
数日後。給料日になり、通帳へ記帳するために銀行に向かった私。一緒に外出するという夫を待ちながら、玄関の外で給与明細をバッグにしまっていたところ……。
「今、通帳を見ていたでしょ? それ、よこしなさい!」と義母が登場しました。そして、力ずくで私のバッグを奪い、給与明細と通帳を勝手に見たのです。
あり得ない行為の果てに、義母はひと言。
「フン、あなた11万ぽっちの給料で息子の世間体を悪くし、内職を続けるなんて恥さらしよ!」と叫びました。「それしか稼げないなら、荷物をまとめて出ていきなさい!」と続けた義母にはあぜんとするばかりです。
意味不明の言いがかりに私は仰天。義母はそのまま離婚届を書かせるべく、今度は本当に私を役所へ連れて行こうとしました。しかし、義母は大きな間違いを犯していたのです。
人の話を聞かない義母に
実は私は、とあるアパレル会社の専属デザイナーでした。業界内ではかなり重宝してもらっていて、このときの私の月収は110万円。そう、義母は11万円と110万円を見間違えていたのです。
人の話を聞かない義母に、私は改めて給与明細を突き付けました。そこに書かれていた金額が110万円であると認めた義母は、あろうことか逆ギレ。今度は私が犯罪まがいの内職をしているのでは? とあらぬ疑いをかけてきたのです。
そんな義母の振る舞いに、後から出てきた夫は激怒!
「母さんは時代錯誤の頭が固い人間で、人の話も聞こうとしない。仕送りも当然だと思って感謝のひと言もない。おまけに結婚相手を侮辱するなら、親子の縁を切る!」と宣言しました。
そうして私たちと義母は絶縁。当然仕送りもなくなり、義母は働くことを余儀なくされてしまったそうです。しかもその仕事とは、勝手にあれだけ蔑視していた「内職」でした。一方私たちは、自分たちが働いて稼いだお金は自分たちのために使えるようになり、より充実した結婚生活を送れています。
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時代遅れで人の話を聞かなかった義母は、実の息子から絶縁されてしまうことに。時代の変化とともに夫婦のあり方や働き方も変わってきますから、物事を柔軟に捉えることは大切ですよね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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