「私も家族の一員なんだし、一緒に住んでも何の問題もないよね!」と言って、息子を連れて義実家に帰って来た義妹。しかし、それはフルリモートで働く私に家事や育児を押し付けるためだったのです……。
自分勝手な義妹とやんちゃな甥っ子
義妹が義実家に戻って来ることを聞いた夫はかなり驚いていました。と同時に、私のことをすごく心配してくれました。
「うちの妹が強引でごめんな……」「妹が甘やかすせいか、甥っ子もとんでもないやんちゃボーイなんだよ」「うちの両親は足腰が弱くなってきてるからもってのほかだけど、俺たちでもあの甥っ子の相手を毎日するのはかなりしんどいぞ……」
私もまさかいきなり大所帯での同居になるとは思っていなかったのですが、「きっと大丈夫だよ」「義妹さんや甥っ子くんとも仲良くできたら、そしてみんなで楽しく同居できたらいいよね」とポジティブに答えました。
しかし、夫は「俺は妹と甥っ子と暮らしていくのは、正直嫌だな……」「何かあったら俺や両親にすぐに言ってくれ」と心配し続けていたのでした。
本性を現してきた義妹
同居から3カ月後――。
最初のうちはおとなしくしていた義妹でしたが、徐々に本性を現してきました。
「私と息子の分の洗濯物もよろしく~」「在宅仕事で一日中家にいると息が詰まるでしょ?私の代わりにお迎えに行ってくれない?」「延長保育になったら、園長保育料をあんたに請求するからね」
フルリモートで終日家にいるとはいえ、私も就業時間内は仕事をしていなければなりません。オンラインでの打ち合わせもあるので、自由に時間を使えるわけではないのです。しかし、何度説明しても、義妹はわかってくれませんでした。
挙句の果てに、「今日、保育園から連絡が合って、息子がお友だちにけがをさせたみたいなの」「私は子ども同士のことには口を出さない方針だから、あんたが代わりに謝っておいて」と言い出す始末。
義実家とは良好な関係を築きたかった私ですが、「さすがに無理かも……」と思うようになっていました。甥っ子のお迎えとけがの謝罪に行く代わりに、「もう二度と甥っ子のお迎えを私に頼まないで」と伝えました。
私に子どものお世話を押し付けようとした義妹は…
数日後――。
「送迎の手間も保育料もかかるから、保育園やめてきた!」「手伝ってくれなかったあんたのせいでもあるから、今日からあんたが毎日息子の面倒を見てね!」と言い出した義妹。突然の強引なお願いに、私はびっくり。
「在宅で仕事してるんだからついでに子どもの面倒見てよ」
「あんたは義姉兼住み込みの家政婦だからw」
「いいけど、本当に大丈夫?」
「は?手抜くなよw」
子どもの命を預かるのは、責任の重い仕事。私はひとつ息をつき、義妹に「じゃあ、月5万円徴収するね」とはっきり言いました。
私から金銭を要求されるとは思わなかったのでしょう。義妹は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていました。
「家族からお金を取るっていうの!?」と言った義妹に、「家族だからこそ、こういう線引きはちゃんとしなきゃ」と返した私。
義両親の分まで家事をする報酬として、私たちは家賃を免除してもらっているのです。さらに、夫の提案で、義両親の病院の付き添いやおつかいなども、1回あたりの金額を定めています。気を遣いがちな義両親も、報酬制にしたことで気兼ねなく私に頼めると喜んで受け入れてくれました。
だからこそ、甥っ子の面倒を見るにも、それなりの報酬を用意してもらわなければ筋が通りません。
「かわいい甥っ子の面倒見させてあげるって言ってるのに!」「この強欲ババァめ!」と吐き捨てて、義妹は出て行ってしまいました。
その後――。
「家族から金を取るような人とは一緒に暮らせない!」と言って、甥っ子を連れて出て行った義妹。しかしその数時間後、甥っ子は「こっちで暮らしたい」と一人きりで義実家に帰ってきてしまったのです。
最初はやんちゃで私の言うことも完全無視していた甥っ子でしたが、気付けば私たち夫婦にすっかり懐いていました。「一人で外に出るのは危ない」と私が甥っ子に言い聞かせている間に、夫は義妹に連絡。
「俺の妻をタダ働きさせようとしたらしいな?」「妻は許しても俺は許さないぞ」と怒り心頭の夫。「甥だけはこっちで暮らしてもいいが、日中の保育料5万円に生活費5万円プラスして月10万円請求するからな」と義妹に伝えていました。
結局、義妹は義実家に戻って来ることに。大号泣しながら今までの言動を謝ってくれたので、引き続き同居を続けることになりました。今は月5万円を義妹に支払ってもらい、在宅仕事を続けながら甥っ子の面倒を見る生活を送っています。甥っ子の言動を見て義妹も心から反省したようで、今は一緒に買い物に行くくらいの仲になることができました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。