妻のワンオペで成り立つわが家
夫は私より先に家に帰っても、保育園に迎えに行くこともせずダラダラしています。「おなか空いた〜ごはん何?」と言う夫には、ため息しか出ません。おなかが空いているなら、作って待っていてくれればいいのに……。
食事の支度をしている私の視界に入るのは、たたんでいない洗濯物や埃が落ちているリビングの床。夫にお願いしても「後でやる」と言うだけで、やってくれた試しはありません。
私が踏ん張って、なんとかわが家は保たれているのです。
しかし問題は私が体調を崩したとき。ある日、私は全身のけんたい感と火照りを感じて目を覚ましました。体温を測ると40度の高熱が……。起きあがろうとしたのですが、だるさでまったく体が動きません。
妻が高熱!そのとき夫は?
どんなに体調が悪くても、娘のお世話をしなければなりません。どうにか起きあがろうとベッドでもがいている私を見て、夫は心配するどころか「ちょっと大げさじゃない? 俺の飯はどうすればいいの?」と言います。
熱があると伝えると「早く寝ないからじゃない? よくソファーで寝落ちしてるけど、風邪ひくって注意したじゃん」と、やさしさのかけらもありません。早く寝られないのも、疲れ切って寝落ちするのも、元を辿れば夫が家事をしないからです。
結局夫は私と娘を残し、そのまま仕事に行ってしまいました。私は母に助けを求めて娘のお世話を頼み、なんとか体を休めることができたのです。
仕事から帰った夫は、寝込んでいる私を横目にピザをデリバリーしていました。娘には、一緒に頼んだポテトフライを食べさせたようです。私はピザやポテトを食べられる体調ではなく、母が買ってきてくれたゼリーを口にするのが精いっぱいでした。
翌朝、私は完全復活! リビングに行くと、昨夜のピザの箱もビールの缶もそのままで、もちろん洗濯も溜まっていました。これ以上私が寝込んでいたとしたら、わが家は崩壊したでしょう。
37.2度でダウン
その1カ月後、私と娘が朝ごはんを食べていると、いつもの時間になっても夫が現れません。寝室に様子を見にいくと、夫は熱でダウンしていたよう。
私に気付いた夫は「俺もうダメかも。熱があって動けない……」と言います。体温計を見ると、37.2度。40度の高熱かのように振る舞う夫にイラッとしました。
今こそ仕返しのとき。「ちょっと大げさじゃない?」と笑って夫に言いました。
リビングに戻って保育園に送る準備をしていても、夫から体温や持ってきてほしいものを伝えるLINEが止まりません。私がダウンしているときには何もしてくれなかったのに……。
体調不良の夫、妻はどうすべき?
体調不良のつらさはよくわかりますが、このままでは夫は変わらないでしょう。
体調が悪い中かわいそうだとは思ったものの、私は夫に素直な気持ちを伝えました。私が寝込んでいるときに自分がどんな態度をとっていたか、高熱の中私がどうやって乗り越えたか……夫として父親として、自分をよく見つめ直してほしいと告げ、ドアを閉めました。
食べやすそうなものや薬はひっそりキッチンに置き、私は仕事に向かったのでした。
この出来事をきっかけに、夫は変わりました。少しずつ家事や育児をするようになったのです。
まだまだできないことも多く何でもかんでも私に聞いてきますが、できることは確実に増えています。これからの夫に期待しています!
相手のつらさを理解しようとせず、自分のことばかり考えていた夫。 自分が同じ経験をすることで、やっと相手の気持ちを理解することができました。近くにいる家族にこそ、相手の立場になって物事を考え、思いやりを持つことが大切ですね。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。