妹が婚約者を略奪
両親が亡くなって以降、祖父母の家で暮らすようになった私たち姉妹。ただ、祖父母のことが嫌いな妹は、高校生になるとだんだん家に帰ることが少なくなり、怖い雰囲気の人たちとつるむように。さらに、高校を卒業したとたんに当時の彼氏と同棲すると言って家を出ていってしまったのです。それからは年に数回、フラッと家に顔を出してはお金の無心をしてきました。
一方の私は、大学まで進学させてもらい、地元で有名な企業・A社に就職。A社の社長の息子であるB男と婚約し、幸せの絶頂にいました。
そんなある日、妹が家に帰ってきました。そして、「ちょっと聞いて!」と勢いよく話し出した彼女は、「私、結婚することにしたの!」と言い出したのです。
結婚相手を聞いてさらにビックリ。それはなんと、私の婚約者・B男だったのです。私はもちろん、祖父母も驚きを隠せません。つい数週間前に、祖父母と妹に対して婚約のあいさつをしたばかりだったのですから。
婚約者とお別れすることに
「ちょ、ちょっと待って。B男さんって私の婚約者の!?」と問いただすと、「そうよ。この辺りじゃ唯一のまともな企業、A社の御曹司のB男よ」と涼しい顔。
私はすぐにB男に連絡をしどういうことかと質問すると、彼は私が浮気しているだのお金目当てで近づいたのだの逆ギレ。どうやら、妹があることないこと私についてウソを吹き込んだようなのです。おまけに、私がずっと妹をしいたげてきたひどい人間だとまで……。
「姉の婚約者を奪う人間が、本当にそんなに気が弱いと思う? 浮気なんて事実無根。あなたは妹に騙されているだけよ」
私はB男に反論しますが、彼は妹を信じてやまないよう。仕方なく、私たちはその場で婚約解消となったのでした。
妹からあることを頼まれ…
B男と別れて数日後、私の傷をえぐるように妹はある命令をしてきました。
「私の結婚式なんだけど、親の代わりにあんたが親族のあいさつをしてよね」
私は「結婚式なんて行くわけないでしょ」と即却下。しかし、妹は高飛車にせせら笑いをしています。
「まだ未練があるの? 仕方ないじゃない、私に決めたのはB男なんだから。あんたが屈辱的な気持ちになろうが何だろうが私のせいじゃないし。あいさつで変なことは言わないでよ。ありふれたお涙頂戴の姉妹愛でも語ってくれれば十分だから」
今にも泣きそうな私を心配そうに見つめる祖父母。私は祖父母を安心させるために笑顔をつくり、「わかった。お望み通りにするわよ」と言ったのでした。
結婚式に出席した私
それから私は妹に言われた通り、親族のあいさつ文を考えました。彼女はその下書きをわざわざチェックまでして、満足気。それもそのはず、原稿には妹が喜ぶようなウソを並べ立てたのですから。
そして、いよいよ式当日。披露宴会場にはB男の親族はもちろん、久しぶりに会う私たちの遠縁の親族のほか、A社の従業員、関係者も大勢参列していました。
しばらくすると、司会者に促された私は例の原稿を手に、高砂の横にあるマイク台へ。
「ご両人、今日はご結婚おめでとうございます。せっかくの場ですので、妹の幼少期からすべてをお話ししたいと思います」
私はそう言って、原稿を破り捨てました。
本当のことを暴露した結果
私は、妹は昔からワガママ放題でずっと家に帰ってこなかったこと、いきなり現れたかと思ったらお金を無心し、私の婚約者まで略奪したことを包み隠さず話しました。
「ちょっとあんた、 いったいどういうつもり? いい加減なこと言うんじゃないわよ!」
逆ギレした妹は、場所もわきまえずに素が出てしまった様子。さらに怒りを抑えきれないのか、ズカズカと私の横にやってきてマイクスタンドを蹴り倒したのです。会場は大パニックになり、出席者はあ然としていましたが、祖父母は「よくやった」と私に向かってうなずいてくれました。
最終的に、B男の両親は式の中止を宣言し、私と祖父母に息子の不義理を平謝り。会社はクビにし、自分の力で就職先を探すようにB男を叱りつけました。また、妹は当然婚約破棄になり、会場の全員が彼女の言動にドン引き。
「これまで好き勝手やって周囲に迷惑ばかりかけてきたのだから、見放されたって自業自得よ。あなたとは今後一切、かかわらないようにするから」
私は妹にそう宣言。今後は彼女に振り回されない人生を送りたいと思います!
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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