借金を背負った経験がある父
私は25歳の会社員。まだ独身で、会社を経営している父と母と3人で暮らしています。ただ、父は社長なのですが、私はお嬢様ではありません。というのも、父は悪い人に騙されて借金を背負った経験があり、子どものころはとても質素な生活をしていました。
そんな私たちを救ってくれたのが、父の会社の取引先の社長。彼が借金の肩代わりをしてくれたおかげで生活を立て直すことができたのです。
社長の意向でお見合い
そんなある日のこと、突然、両親が私にある話を持ちかけてきました。それはなんとお見合い。ただ、私は仕事に集中したい時期であり、気が乗りません。
けれども両親によると、相手は私たち家族を救ってくれた社長の息子・A男(35歳)とのこと。しかも社長直々のお願いだそうで……。
とりあえず、一度会話をするだけでもOKとのことだったので、私はお見合いを受け入れることにしました。食事くらいで社長に恩を少しでも返せるのなら、私にとってもうれしいことだと思ったのです。
失礼発言を連発するA男
そして迎えた見合い当日。待ち合わせ場所である高級寿司店に5分前に着いた私は、先に中に入っていることに。席に座って待つこと10分。ようやくA男が姿を現します。
入店早々、寿司屋の大将に向かって「あー、予約のA男だけど」と横柄な態度の彼。この時点で私は「気難しい人なのかなぁ」と不安になってしまいました。
そして、その不安は見事に的中! 私の姿を見た瞬間、A男は大きなため息をつき「見合いしろってうるさいからどんな美人が来るのかと思ったら、こんなチンチクリンをよこしやがって!」と言ってきたのです。
私は心の中でムッとしましたが、お見合いの場で失礼な態度はできません。A男は私の両親のことを「寄生虫」だと言ってきましたが、ひたすら我慢。さらに、私が最初に玉子焼きを注文すると、「さすが貧乏人は違うな! 寿司屋には高いネタがいくらでもあるってのに、まず最初に頼むのは玉子なのかよ」と笑われても我慢しました。
A男のセレブアピールは続き…
その後もA男は調子に乗り続けます。寿司屋の知識をひけらかし、「自分は寿司屋に行き慣れたセレブ」だとアピール。
それだけでは満足せず、A男は自分が社長の後を継いだらもっと豪遊し放題だと自慢し始め、「俺の妻になればその恩恵にもあずかれるんだが……お前の顔とスタイルじゃ無理だなあ~! もっと美人でスタイルが良くなきゃ俺の横には立てないぜ」と言い出す始末。私はただただ机の下で拳を握りしめつつ、食事が終わるのを待ちました。
ようやくお見合いが終わりそうな雰囲気になり、私たちは最後の注文をすることに。彼は最後に大トロを注文しましたが、私が頼んだのはかんぴょう巻き。それに対しても「貧乏人の選ぶネタはショボいな」とバカにした態度で、とうとう私は我慢ができなくなり言い返そうとした瞬間、「お客さん、本気で言ってるんですか?」という声が。ずっと黙々とお寿司を握っていた大将が口を開いたのです!
大将「物知らずのエセセレブ」
大将もA男の言動に我慢ができなくなった様子。「寿司屋のイロハも知らないのはアンタだよ」と言い始めます。
そして大将は、寿司通の中には板前の技量や裏方の仕事ぶりを見極めるために、最初に玉子焼き、最後にかんぴょう巻きを食べたりする人がいること。最初は味の薄い白身から食べて、だんだんと味の濃いネタを食べていくことなどを説明。
そして最後には、「俺にいわせりゃアンタは物知らずのエセセレブで、お嬢さんは粋な家庭でしっかり教育を受けた本当のセレブに見えるね」と言い切ったのでした。
ただ、A男も黙っていません。「こんな店、俺の力で潰してやるよ!!」と喚き始めます。それを見た私は、彼に隠していた重大なことを伝えました。実はこのお見合いは、A男の性根を見極めるという裏事情もあったのです。
調子に乗り続けた男の末路
A男の父である社長は、息子は親の前ではいい顔をしているものの、それ以外のところでは豹変するという噂を聞いていました。そのため、お見合いの話を持ちかけると同時に、会社の後継ぎとして相応しい人間性を備えているのか見極めてほしいと相談してきたのです。奥のテーブルには私の両親も座っており、彼の言動をチェックしていたのでした。
両親は私とA男の会話をしっかり録音し、社長にそのデータを提出。A男は社長の逆鱗に触れ、後を引き継ぐ話は白紙になったそうです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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