なんだか背中に衝撃が…
実家がある九州から東京に帰る飛行機の中で、ずっと私のひざの上でおとなしくしていた2歳の息子が、窮屈なのか気圧のせいかぐずり始めました。なんとか息子の気を逸らしたり楽な大勢を探したりと、夫と私はあたふた……。
何となく背中に衝撃を感じていましたが、焦っていたので最初は気づきませんでした。
息子が落ち着くと座席から感じていた衝撃もおさまるのですが、再びぐずり始めるとまたドンッと後ろから衝撃が……。夫が後ろの席をチラリとのぞいてみると、若い女性が座席を蹴っていました。
静かな機内で何度もぐずってしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、息子がぐずるたびに蹴られるのはとても悲しかったです。
しゅんとしながら飛行機を降りて歩いていると、あの女性の隣に座っていた40代くらいの男性が追いかけてきて、「大丈夫でしたか? あまりにひどいから注意しようかなと思っていたくらいです」と声をかけてくださいました。
わざわざ追いかけてまで心配する気持ちを伝えにきてくれた男性に感謝しかありません。
著者:歌山 晴子/5歳の息子と2歳の娘を育てるワーキングママ。義母と同居している。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています。
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飛行機の中では睡眠をとる人や仕事をする人もいて、静かに過ごすのが基本。しかし、小さな子どもとなると、泣いてしまうこともあるでしょう。「子どもだから良い」ということは決してありませんが、席を蹴られてしまうのはつらい思い出になってしまいますね。
そんな気持ちを汲み取って、声をかけてくれる人がいたのはせめてもの救い。誰かのひと言で救われることがあるのだと思う体験談でした。
次の体験談でも、飛行機の中で子どもが泣いてしまったようで……。
飛行機でぐずる1歳の娘…⇒着陸後さらに恐怖の展開が!
帰省のため、当時1歳の娘と私の2人で飛行機に乗りました。私はシートベルトをしてひざの上で娘を抱っこしていたのですが、まだ動きたいのに無理やり座らされた娘は、泣き出してしまいます。
すると同じ飛行機に乗っていた男性がわざわざ自分の座席から移動して、私の横までやってきたのです。「うるせぇな! 静かにしろよ!」と私に言う男性……。とても剣幕だったため、手をあげられるのではないかと思いとっさに子どもを手で覆いました。
幸いすぐにCAさんが駆けつけてくれて、それ以上のトラブルに発展することなく男性は席に戻っていきました。
しかし降下のとき、今度は気圧で耳が痛かったようで、また娘が泣き出しました。すると斜め前から「うるせぇな! あやし方知らんのか!」と、先ほどの男性の怒鳴り声が聞こえました。男性は娘が泣いている間中、ずっと後ろを向いて睨んでいたのでした。
到着後、私は最後に降りようと座っていたのですが、その男性は通路に立って私が降りるのを待っていました。「ひと言言ってやる!」というような雰囲気で仁王立ちで私を見ています。
恐怖を感じた私は、CAさんに守られながら男性が立っていない通路から急いで降りました。
ママになってまだ約1年。初めての育児で、あやし方も日々勉強中の身に起こった今回の出来事。子どもの泣き声がうるさかったことについては申し訳ないと思っていますが、「あやし方知らんのか!」と言われて「ママになったばかりでまだ勉強中です! だけど頑張っています!」と反論したかったのが本音です。
守ってくださったCAさんには感謝しています。そんな娘も今は高校生に。今後同じような境遇のパパやママを見たら、守ってあげたいと思っています。
著者:上野章子/16歳の娘を育てる専業主婦。東京に15年の居住経験あり。現在は福岡に住んでいる。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています。
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子どもの泣き声を不快に思う人もいると思いますが、怒鳴ったり待ち伏せしたりするのは相手に恐怖心を与えます。イライラしたからといって怒りをぶつけるのは、控えてほしいですね。
助産師さんによると、小さな子は耳抜きができず、離着陸時の気圧の変化によって泣き出してしまうことも多いそうです。そんなときは母乳や育児用ミルクを与えてみるといいとのこと。もしくは、おしゃぶりをくわえさせるだけで改善されることもあるようです。
3つ目の体験談は少し成長してからのお話。準備万端で飛行機に乗ったのですがーー。
飛行機の着陸間際に息子が号泣!おむつをしているはずなのに…
わが家の長男は、夫の転勤先だったイギリス生まれ。イギリス在住中は家族に会いに、毎年日本へ帰省していました。
当時3歳の長男と私で、日本へ一時帰国したときのことです。イギリス・日本間のフライトは約13時間と長時間のため、私は毎回入念な準備を欠かしません。そのときも、仮眠を取ったりテレビを見たりと、長男は快適に過ごしていました。
しかし、日本の空港着陸まで30分となり、シートベルトサインが点灯してCAさんたちも着席した矢先、なんと長男が号泣し始めてしまったのです。
号泣の理由は「トイレ」……。長男は一時帰国の1カ月前にトイレトレーニングを完了し、普段は普通の下着をはいていました。しかしこの日、万が一に備えて着陸前だけおむつをはかせていたのです。
もうシートベルトサインが点灯していたため、私は「おむつにしたらいいよ」と長男に声をかけました。しかし、トイレトレーニングを終えたことを自負していた長男は、おむつで用を足すことを断固拒否。「トイレに行きたい!」と泣きわめく事態になってしまいました。
私は長男のプライドを傷つけたことに気づき「しまった!」と思いましたが、時すでに遅し。結局、長男は飛行機が着陸するまで泣きながらトイレを我慢し、シートベルトサインが消えるや否や、長男と私はキャビンアテンダントさんに許可を得てトイレへ駆け込んだのでした。
私は長時間フライトを無事に乗り切ろうと、「少し前までおむつだったし、最悪おむつに用を足してもらえばいいか」と安易な考えで長男におむつをはかせ、自尊心を軽く扱ってしまいました。結果、長男を号泣させ、他の乗客にも迷惑をかける事態に……。
この一件以降、自分の都合を優先して子どもたちの自尊心を傷つけぬよう、最大限に気をつけています。
著者:濱田よし/2014年イギリス生まれの長男、2018年日本生まれの長女と2021年アメリカ生まれの次女、夫の5人家族。夫の海外転勤による約10年の海外生活を経て日本に帰国。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています。
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小さな子どもとの飛行機……泣いてしまうことのほかに、トイレも大きな問題です。同じくらいの子どもがいるパパやママも、同じように対策するのではないでしょうか。
しかしおむつを卒業した子どもにとっては、とても抵抗があること。今回の体験談で気付かされた人もいるはずです。事前に声掛けなどし、空の旅を楽しめるといいですね。
泣いても騒いでも、途中で降りられない飛行機は、小さな子どもを乗せるハードルがとても高いもの。しかし帰省で飛行機が避けられない人、子どもを連れていきたい旅行先がある人もいるでしょう。
席を立ちやすいシートを選んだり、飛行機の中で眠れるように時間を調整したり、できる限りの対策をして臨みたいですね。そして、それでも泣いてしまった子どもがいたら、少しやさしい目で見られる社会であってほしいと願います。