夫は、「パートをやらせてもらっているだけでも感謝しろ」と言います。なにせ私にお小遣いはなく、欲しければ生活費の中から工面しろと言われているので、パートをせざるを得ません。それなのに、感謝しろだなんて……。
夫や夫の周りの男性たちは「妻にお金を持たせたら、ろくなことがない」と言っているようです。私にだって付き合いがあって、決して無駄使いしているわけではないのですが、それを聞いた夫は、無駄な人付き合いなどするな、無駄を省けと言います。
その後も夫は、私は自分にとって使い勝手がいいとか、俺のようなできる男と結婚できてラッキーだとか、ひどい物言い。私以外にもこんな横柄な態度をしているのなら、きっといつか夫の周りから人が消えることでしょう。自分はヘマをしないと言いますが、普段からの言動は、ポロッと出てしまうときがあると思います。
私を無能呼ばわりする夫
ある週末のこと。その日私は、以前から予定していた休日出勤日。夫は休みのはずなので、声をかけずに出てきました。しかし上司と約束があったらしく、寝坊をしたと怒って連絡をしてきて……。
なんで俺が休みの日にパートを入れたのだと尋ねるので、きちんと前もって確認して了承を得ていたことを説明。しかし、そんなことは知るか、約束を守れと……。守れないなら、パートを辞めろとまで言ってきました。
夫は毎月、生活費として5万円を渡してきます。それだけあればパートをしなくても大丈夫だろうと言うのですが、どこの誰がそんな金額で家計をやりくりできるというのでしょうか。保険の掛け金、光熱費や通信費なども含めると、到底その金額ではまかなえません。もちろん、きちんと節約をした上での話です。
自分は大黒柱で、私のことを養ってやっている。だから俺の勝手が通るのだと夫は言い、えらそうな態度。その上、義母を引き合いに出し、実家はこれで十分できていた、できない私は無能だと言って譲りません。
偏見の大暴走…その結果…?
「パート先で店長になるの!」
「仕事を評価してもらえたみたい!」
ある日、私が報告すると、お飾り店長ごときで喜んでいると侮辱してきた夫。
「お前は気楽でいいよな」
「大企業の正社員は大変だよ」
その上、私を店長に任命した上司のことも、バカにする始末。若くて経営上手な上司は着実に店舗を増やしていて、そこで私が店長に任命されました。大企業勤めを自慢するくせに、生活費すらも満足に妻に渡せない、底辺の人間とは違うのです。
それを聞いて、夫は急にムキになりました。自分のことを言われたと気付き、ご機嫌斜め。私が、降格処分にでもなったのかとかまをかけると、今度はしどろもどろになりました。どうやら図星のよう。とうとうボロが出たのかもしれません。それにしても、妻の私は出世したのに、夫は降格。つくづく哀れだと思いました。
私に腹を立てた夫は、私をパートに出さないと宣言。私は喜んでそれを受け入れました。ちょうどパートを辞め、個人事業主になって店を切り盛りしようと思っていたので……。それを聞いて、パートしか許していなかったのに、それはないだろうと夫は言ってきましたが、離婚すれば問題なしです。とやかく言われる筋合いもありません!
夫は離婚なんてしないと言います。体裁が悪い、うわさになると心配しますが、大丈夫。不倫がバレて離婚されたという話が明るみに出れば、それはうわさではなく単なる事実です。
夫の言動は、ただの偏見からではなかった!
実は、夫があまりにも生活費を渡さないので、何かあるのではないかと疑った私。そこで、探偵に徹底的に調べてもらいました。すると、不倫が発覚。生活費を抑えて、不倫相手に貢いでいたのです。嘘がばれないように、いろいろと私に対して口撃していたのも納得です。
しかも、その相手というのが上司の奥さんだったのです。さらなる降格処分を受けることでしょう。減給や異動、退職も免れないかもしれません。
私はもうバカらしくなり、この生活をすっぱり捨てることにしました。夫の会社に不倫の事実を報告し、家を出て、離婚と慰謝料を請求する準備も開始。離婚したくないと泣いてすがってくる夫を、面倒ながらもあしらう日々です。
その後私は、何とか離婚することができ、今は自分の未来のためだけに頑張って働いています。元夫は、今ではアルバイト生活。しかし、まともに仕事をこなせず、高校生アルバイトの先輩に叱られてばかりだとか……。今まで散々人を見下してきたから、バチが当たったのだと思います。自業自得です。
◇ ◇ ◇
偏見を持ち、人を見下す態度も許せませんが、それが不倫の隠れミノになっていたことは、さらに許せませんね。
何のためにパートナーを得るのか、そもそもの段階から認識を間違えていたのではいでしょうか。家族になるということは、えらぶるためでも、優位に立つためでも、家のことをさせるためでもありません。
離婚して自由になった妻には、見下されていた結婚生活を忘れるてしまうくらい、幸せな人生を送ってほしいですね。
【取材時期:2024年12月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。