私自身は、妊娠中から徐々に母親としての心の準備ができていました。一方、パパは赤ちゃんの誕生後も精神的に父親モードに切り替わることが難しい様子でした。家事と赤ちゃんのお世話はほとんど私がこなし、パパは出産前と変わらずマイペースに過ごす毎日。悪気がないのはわかるのですが、こちらは疲労でパンク寸前に……。そんな状況から脱出し、夫婦“協働”の育児に変化していった体験談をご紹介します。
初めての育児に孤軍奮闘
入院中は体力回復と赤ちゃんのお世話に専念できたものの、退院後は家事と同時進行で育児をこなす毎日が始まります。慢性的な疲労感に襲われつつも、毎朝目覚めるたびに「今日も頑張らなくちゃ!」と自分を奮い立たせていました。
一方、パパは育児らしいことは何もできず、ただ赤ちゃんを愛おしそうに目を細めて眺めているだけ。ある朝、パパが「シャツ、アイロンかけてくれたよね?」と言った途端に私の中でプチン! と何かが切れました。
パパへの不満が爆発! その先に見えたもの
家事と育児からくるストレスが一気に爆発した私は、パパに泣きながら「これでは一緒に子どもを育てていける気がしない!」と訴えました。しかし、それと同時に、私自身もパパに理解してもらおうと、ちゃんと働きかけてこなかったことに気づいたのです。
パパは悪気がまったくなく、私が自分のペースで育児できるほうがいいと思って、見守っていたそうです。パパは育児に関心がなかったのではなく、私と一緒に育児をしていく方法がわからず、きっかけを探していたのでした。
パパを育児に巻き込もう!
育児といっても何から手をつけたらよいのかわからないというパパには、生後4カ月健診へ一緒に来てもらいました。同月齢の赤ちゃんでいっぱいの会場には、わが家と同じくパパが同行している家庭もありました。
身長・体重を測り、誕生時からはるかに大きくなったことを改めて実感。保健師さんから育児のアドバイスを頂いているうちに、パパもどうやら父親として育児に目覚めたようです。そのころからおむつ替えやお風呂、寝かしつけを少しずつしてくれるようになりました。
私は育児を抱え込んで一人相撲をとって、空回りしていました。健診に行くことでパパも育児に対する理解が深まったようです。日ごろから小さなことでも分担して、育児の感動を共有することが大事なのだなと感じました。
著者:永井洋子
二男の母。航空会社勤務を経て出産を機に退職。現在は心理学を学んだ経験を活かして、育児をはじめママが楽しく毎日を過ごせる記事を執筆中。