母の通夜にはたくさんの人が訪れました。現実を受け止められないペ子さんは、悲しいとか寂しいなどと思う余裕がありませんでした。けれど、冷たくなった母に触れ、元気な母はもう戻ってこないことを実感し、少しずつ母の死を受け入れていきました。
お葬式にもたくさんの人が来てくれ、ペ子さんの友だちも参列。「大変だったね」と言われたペ子さんは思わず……。
母との最期の別れのときに…
お葬式にもたくさんの人が来てくれました。
教師だった母の教え子や、上司、友人……。
私の友だちも参列してくれ、最後に声を掛けてくれました。
「ペ子、大変だったね」「心配してくれてありがとう」
そう答えながら必死で涙をこらえました。みんなが心配するから泣いたらダメ。自分に大丈夫、大丈夫と言い聞かせました。
でも、そのときに見えたお父さんの背中が小さくて……。
初めて見た父の背中の小ささに、思わず涙がこぼれました。
火葬前に、石で棺の釘を打ち最後のお別れをする「釘打ちの儀」を行うことに。
この石を打ったら、お母さんとはもう……
姿を見ることも、触れることもできなくなる…
大好きなお母さんとの思い出が脳裏に浮かび、私は石を握りしめることしかできませんでした。
母との決別を自分の手でしなければならない現実が、つらすぎました。
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11歳のペ子さんにとって、「釘打ちの儀」は母が亡くなってから一番つらい瞬間だったそうです。父の背中が小さく見えたことも、11歳のペ子さんにとっては大きな衝撃だったのかもしれませんね。
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