便秘体質が招いた痔との出合い
私は子どものころから便秘体質でした。小学校低学年くらいまで便がなかなか出なくて病院へ行き、浣腸をしてもらうこともあったほど。おなかを手でさすってマッサージしたり、朝食後にトイレに行く習慣をつけたりと便秘を改善する努力はしましたが、毎日快便とはならず、「便秘だからしょうがない」と思うようになっていました。
そんな日常に変化があったのは、短大への進学とともに寮生活を送るようになってからのこと。寮の共同トイレを使う際、「誰か来ちゃうかも」という焦りから無理にいきんだ結果、おしりから出血してしまい、それを排便のたびに繰り返すようになってしまったのです……。切れ痔※だろうと自分なりに解釈していましたが、19歳の女子学生にとってお店で痔の薬を買うことは恥ずかしく、抵抗がありできませんでした。
※切れ痔は医学的には「裂肛 (れっこう)」といい、便秘で硬くなった便を無理やり出す際に、肛門の皮膚が切れたり裂けたりしてできる傷のこと
排便時にピリッと感じる痛みとおしりからの出血で、便をするのが怖いと思っていた当時の私は、切れ痔と便秘の悪循環に陥ってしまうはめに。短大を卒業して寮を出た後も、便秘と切れ痔が落ち着くことはありませんでした。
妊娠出産により成長した「主」
その後もおしりに痛みや出血があるたび、患部を清潔にしてから市販薬を塗って事なきを得るといった自己治療で対処。しかし、それを繰り返すうちにおしりから小豆くらいの大きさのものがぴょこっと現れるようになったのです。「もしかして、これがうわさに聞くいぼ痔※……!?」と不安になった私は、書籍やインターネットなどで自分に当てはまる症状を片っ端から探しました。そして、調べれば調べるほど、自分がいぼ痔であるということを認めざるを得なくなったのです。しかし、私は痔であることを自覚しながらも、若さゆえ、女性ゆえというのもあり、病院受診をためらい、市販薬の使用と時間の経過に任せてやり過ごしていました。
※「いぼ痔」は医学的には「痔核(じかく)」といい、便秘や排便時のいきみなどで負荷がかかることにより、肛門の内側や外側にうっ血して膨らんだいぼ状の腫れができる状態
その後、37歳で1人目の子どもを出産。妊娠中から痔があることを医師に相談していたので産院で薬を処方してもらい、産後は徐々に症状が治まりつつありました。
しかし、39歳で2人目の妊娠したころ、それは突然現れました。
妊娠中期、便秘によって硬くなった便を出そうとトイレに座り、いつもより強くいきんだ瞬間、おしりの刺激とともに排便後にまだ何か残っているような嫌な感覚を覚えたのです。怖々と鏡で見てみると、そこには小豆大からひよこ豆大に成長したいぼ痔と思われるものが! しかし、このときの私は痔が悪化していたことよりも、診察をしてもらわないといけない恥ずかしさのほうが勝り、すぐには産院にも報告しませんでした。
そしてその日から私は、大きくなってしまった「主」に寄り添って生活することに。座るときは片方のおしりに交互に力を入れて座り、歩くときはおしりが擦れ合わないよう股を開き気味にして歩くなど、試行錯誤しながら痔を刺激しない体勢をとって過ごしていました。
ひよこ豆が招いた悲劇
痔の症状の悪化が判明してから数日がたったある日、1歳の長女を連れて買い物へ出かけたときに悲劇は起きました。
「ママ! これ乗りたい」とカートを指さす娘。お店のカートに乗りたがる娘を前に、下半身に力を入れることをためらった私は「今日は歩こうよ!」と返事しました。しかし幼い娘がすんなり受け入れてくれるはずもなく、「乗せて!」「歩こう!」のやりとりが続き……。結局は私が根負けして娘をカートに乗せることに。下半身に変に力が入らないように慎重に娘を抱き上げてカートに乗せようとしたそのとき、ビリビリッと腰に電気が走るような痛みが! おしりの「主」を気づかうあまり、娘を抱える際の下半身への力の入れ方を誤り、なんと腰を痛めてしまったのです。
強烈な腰の痛みで身動きが取れないことを1歳の娘に説明してわかるはずもなく、「ママ、ここ乗りたい!」とせがみ続ける娘。しかし私は「ちょっと待ってね~……」と痛みに耐えつつ、娘をなだめることしかできませんでした。
実は、過去に整形外科を受診し、初期の腰椎椎間板ヘルニアと診断を受け腰痛持ちだった私。さすがにその場からすぐに動き出すことができず、一旦近くのベンチに避難することにしました。不服そうな娘を必死でなだめながら、15~20分がたつころにはなんとか動けるぐらいの状態に。その後も必要以上にスローなペースでどうにか買い物を終えました。その後、病院受診はせず、湿布を貼り安静にしていると痛みがひいてきたのでひと安心できたのでした。
まとめ
痔を気づかうあまりに招かれた腰痛。持病が別の持病を呼び覚ますとは、夢にも思いませんでした。しかし、それもこれも、自分が病院受診を怠ったことが原因。「恥なんて思わず、早く病院へ行っていれば……」と後悔するばかりでした。
このことがきっかけとなり、体に不調があるときは早く病院を受診すること、そして、自分の日ごろの生活態度も少しずつ見直していかなければいけないと深く反省、考え直しました。今後は自分の体をもっと労わって生活していけるようにしていきたいと思っています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:吉井 マリー/40代女性・ライター。人生ずっとおもしろおかしく生きていきたい! 2020年、2022年生まれのおてんば娘たちの子育てに日々奮闘しながら、加齢に伴うさまざまな悩みとも闘っている。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年12月)
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