しかし、幸せいっぱいの日々は長くは続かなかったのです……。
すれ違いの日々
妊娠がわかったころから、夫の様子が急に変わりました。家ではスマホを見てはニヤニヤと笑っていることが多く、私が話しかけても生返事ばかり。平日は仕事の飲み会だと言って帰りが遅く、休日はゴルフに出かけてばかり。私たちの間には、少しずつ溝ができていくように感じました。
「最近、なんだか冷たいよね」と勇気を出して話しかけても、夫はそっけなく「そんなことないよ」と言うだけ。その態度に違和感を覚えた私は、思い切って探偵に調査を依頼することにしました。
夫の裏切り
数週間後、探偵からの報告書を受け取り、私は愕然としました。夫が浮気している証拠がいくつもあり、浮気相手は数名いたのです。写真や会話記録を見て呆れ果てた私は、この人と一緒に子育てをしていく気持ちも失せてしまいました。
「慰謝料と養育費を請求して離婚します」と夫に調査結果を突きつけたとき、彼は大慌てで謝罪してきましたが、私の決意は変わりませんでした。夫は離婚後、荷物をまとめ、家を出て行きました。
突然の訪問者
それから数年が経ち、私は子どもと穏やかに暮らしていました。そんなある日の午後、見知らぬ女性が訪問してきました。
「あなたの旦那さんと付き合っているの。私、妊娠3カ月よ! 結婚するから、さっさと離婚して、この家から出て行ってちょうだい!」
突然の言葉に驚き、私は数秒間何も言えませんでした。しかし冷静さを取り戻し、「私は5年前に離婚しましたよ? そして、この家は私の父の名義ですが……」と伝えました。
驚きの真実
女性は真相を聞いて唖然とした様子でした。さらに話を聞くと、元夫はこの女性に「妻が離婚に合意してくれない」「俺の家を占領されている」と嘘をついていたのです。おそらく、結婚するつもりがなく遊びの関係に過ぎない相手に対し、私を言い訳に使っていたのでしょう。元夫は私と離婚したときから、ちっとも変っていません。
女性は、「妊娠しているというのは嘘です。あなたを追い出したい一心で言いました。本当にごめんなさい」と謝罪しました。その後、彼女は元夫に失望し縁を切ることを決意したようです。
元夫の悪癖には、ほとほと呆れてしまいました。子どもが生まれる前に離婚して大正解だったようです。過去の傷はすぐには癒えませんが、これからも子どもと2人で幸せに生活していきたいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。