義母のサプライズ訪問と“安産守り”
ある平穏な日の午後、突然玄関のチャイムが鳴りました。扉を開けると、旅行帰りの義母がニコニコと立っています。「これ、いいものよ!」と差し出されたのは、なんと有名な神社の安産守りでした。
思わず固まり、「ありがとうございます……」と反射的にお礼を言いながらも、頭の中は大混乱。「妊娠していないのに、どういうこと?」と戸惑いつつ、なんとか平静を装いました。
そして、義母は私の反応などお構いなしに「そろそろ孫の顔が見たいわね」と一言。驚きのあまり「え!? 私、妊娠していないんですけど……」と返すと、義母は軽く「まあ、そのうち役に立つわよ!」と自信満々に言うではありませんか。どうやら義母の中では、私が近いうちに妊娠するのが既定路線のようです。
複雑な気持ちを抱えつつ安産守りを眺め、「予定にはないけれど……」と少々プレッシャーを感じていると、隣にいた夫は「相変わらずだな」と苦笑い。
義母にはもともと、思い立ったらすぐ行動に移す“先走り癖”があります。たとえば、家族旅行の話を軽くしただけで、すぐに旅行先をリサーチし「いつ予約する?」と張り切る姿に、思わず苦笑いしたことも。
そんな義母の期待がどうなるかもわからないまま、私はお守りをそっと引き出しの奥にしまい込んだのでした。
ところが数カ月後、思いもよらず妊娠が判明。無事に出産を終えたあと、義母は「ほら、言ったでしょ!」と予言者のような笑顔を見せました。まさかの展開に驚きつつも、心があたたまる体験でした。
義母の先走り癖や行動力にはいつも驚かされますが、結果的には家族が笑顔になるほっこりエピソードばかり。今回も義母が先走っているだけと思っていた安産守りが、本当に役立つ日が来るとは……。あのときの驚きも、今では懐かしい思い出です。
著者:森田 奈々/30代女性。2018年生まれの繊細な男の子のママ。個人ブログの運営や、ライターとして子育てに関する記事の執筆をしている。息抜きは韓国ドラマを見ること。
イラスト:キヨ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年12月)