久しぶりに母娘でお出かけ
余計なお世話と思いつつ、娘が孫と接する時間があまりにも少なくなったため、おせっかいを焼いた私。
「あの子は動物が好きだから、動物園に連れて行ってあげなさい。パパは海外で寂しいし、たまにはママとお出かけしたいはずよ」と言って、しぶる娘を説得し、その週末に動物園計画を実行させました。
「貴重な休みなのに、息抜きに友だちとお茶もできないなんて……。大体あの子はもう小3よ。今どきの子は大人だから動物園なんて喜ばないわよ」などと文句を言っていた娘。しかし毎週末、「息抜き」をする娘の代わりに私が孫を預かっているのですから、今回ぐらいはと半ば強制的に送り出しました。
孫からのSOS
お昼どきになり、2人のことが気になっていた私は、老婆心ながら孫にメッセージを送信。
「動物園は楽しい?」
「どうしようバァバ」
「ママがいなくなった」
「え?」
すぐに孫から驚きの返事が届きました。慌てて電話をかけると、半泣き状態の孫が出たのです。
「ママがどこにもいないの……。私にここで遊んでいろって言って、いなくなっちゃった。ママ、迷子かもしれない……」と母親の心配をしています。
私は慌てて、「ちょっと待って、ともかくバァバが今そっちに行くから、動かないで待っていてね!」と言い聞かせ、動物園に急行しました。
あなた今どこ?
すぐに動物園で孫と無事合流できた私。先ほどから何度も電話しているのに、娘とは一向に連絡が取れません。それでもしつこく発信し続けると、ようやくつながりました。
「今どこ? 子どもから目を離すなんて……。この子、母親が迷子だって心配しているのよ」
すると娘はしどろもどろ。「それが……。どうしよう、まずいことになっちゃった」
詳しい説明を促すと、「実は、ちょっと友だちが近くに来たから会いに行ったんだけど、途中で交通事故に遭っちゃって……。スリップして民家につっ込んじゃった。足を骨折して入院しなきゃいけない上に、民家の住人もけがをしたから警察沙汰だって……。家屋の賠償金とか慰謝料とかドカッと来るって! 母さん、助けてよ」と言うのです。
どうやら娘は、孫を動物園で待たせて「すぐ近くだから」と友だちに会いに行ったようです。何て無責任な……。私は娘に「自業自得よ、ひとりで解決しなさい」と厳命し、事のてん末を出張中の婿にすべて伝えました。
その後、娘婿が調べると、娘が毎週パーティーに明け暮れていたことが発覚しました。彼は離婚を決意し、孫のために出張のない部署へと異動願いを提出。親権を取って父娘で暮らすことにしたそうです。もちろん、私は祖母としていつでも孫のお世話をするつもり。逆に、娘のことはもう助ける気はありません。これからひとりですべてを解決し、心を入れ替えることができたときに、孫としっかり向き合ってほしいと思っています。
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「ちょっとだから」という気の迷いが最悪の事態を招くことも。すぐ子どもを迎えに行ける距離に祖母がいて本当によかったです。当たり前ですが、たとえ少しの時間でも子どもから目を離すのは危険です。これを機に改心し、母親としてこれまでの分も子どもに愛情を注げるようになるといいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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