昔から義姉は、弟である私の夫にいろいろと迷惑をかけてきたそうです。最近では「仕事があるから」と言って、連絡もせず突然甥を連れてわが家にやってきて、無理矢理預けてくるのです。
託児を断っても預けて去っていく義姉
私たちも家族でおでかけしたり用事があることもあるので、毎週のように預かるのは難しいのですが「うちの子も一緒に連れて行けばいいでしょ♪」と義姉は全く聞き入れません。夫は毅然とした態度で何度も断ってはいるのですが、そのまま行ってしまうので、私たちは受け入れざるを得ない状況が続いていました。
ちなみに、近くには義両親も住んでいますが、義姉はどうも義両親が苦手なようで、いつも私たちに頼ってくるのです。
ぐったりした甥を連れてきて
とある週末、またいつものように甥を連れてきた義姉。そして「今から出かけるから預かってくれる? あ、ちょっと風邪っぽいから、病院に連れて行ってね」と言うではないですか!
慌てて熱を測ると、なんと高熱が! もし感染症だと、うちの子どもたちにもうつってしまうので預かれないと断ると、「なんて冷たいの!? この子がかわいそうじゃない!」と私たちを悪者にしてくるのです。そして「じゃ、息子をよろしくね!」と言い、そのまま去ってしまいました。
私たちはとにかく甥を小児科へ連れて行くことに。幸い、診断は普通の風邪でしたが、これにはさすがに怒りと呆れで言葉がでませんでした。もうこれ以上責任を負うことはできません。
怒った夫が義両親に連絡を取り、これまでのことをすべて伝えました。
甥を迎えに来たのに家にいない!?
その日の夜、義姉が甥を迎えに来ました。わが家に甥がいないことが分かると、義姉は顔面蒼白に。実は、義両親がすでに甥を引き取って看病してくれていたのです。義母が義実家で甥を看ており、義父がわが家に来て義姉と話をしてくれました。
「あの子はうなされながらも、『ママ! ママ!』ってお前のことを呼んでいたぞ」と義父が言うと、義姉は涙を流し、息を詰めるように話し始めました。
「実は休日出勤というのは嘘なの。ストレスが溜まっちゃって……現実逃避したくて毎週友だちと遊んでいたの。迷惑をかけて本当にごめんなさい。これからはもっと息子に向き合うから」
義姉は義実家に向かい、甥にもこれまでのことを謝罪したそうです。そしてそれからは、2人の時間を取り戻すかのように、一緒に楽しい時間を過ごしているとのことでした。わが家に突然預けにくることもこの一件以来なくなりました。
これがきっかけで、義姉と義両親との関係も修復し、久しぶりに親族で集まるようになりました。私たちにとって大変な出来事でしたが、家族とどう向き合うかを学ぶ大切な機会となりました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。