先輩たちの会話が聞こえてきて…
私はエステティシャンの卵。お客様の「美」を追求するために日々精進しています。美容業界ということもあり職場のスタッフは全員女性で、キレイで派手な印象の人が多数。
そのなかで、私は「陰キャ」認定されており、周りのスタッフから「あの子は地味よね」と陰口を叩かれることも……。そのことに気づいている私は悲しく思いながらも、めげずにスキルアップに励んでいました。
この日、私はマッサージの練習のために残業。練習を終えロッカールームに向かうと、先輩2人がなにやら盛り上がっています。どうやら彼女たちは、パイロットや経営者、医者との婚活パーティーの話題で持ちきりの様子。
そしてロッカールームに入ると、2人が「地味なあいつも連れていこうよ」「そうすれば私たちが引き立つもんね」と笑い合っているのが聞こえました。
2人の会話を聞いて、私は怒り心頭。「どうしてそこまでバカにされなくてはいけないの!?」と悔しい気持ちを抱えながら、ある作戦を考えました。
「顧客獲得」と私を誘う先輩
それから数日後、例の先輩2人がやってきて私に「エステの練習に一生懸命なのもいいけど、たまには新しい顧客を見つける努力をしなきゃ」「明日、ハイクラスの男女50人が集まるパーティーを高級ホテルで開催するから、一緒に行きましょう」と話しかけてきました。
私は、あのとき話していた婚活パーティーのことだと察し、じっと話を聞きます。「意識が高い人が多く集まるから、顧客獲得に繋がるわよ」「仕事に真面目なあなただから誘っているの」と畳み掛けてくる先輩たち。
私が「当日、エステの営業をしていいということですよね? ぜひ行かせていただきたいです!」と答えると、先輩たちは「服装は普段着で大丈夫」「ちなみに会費は2万円で幹事の私に払ってね」と告げて去って行きました。
私に気づかない先輩たち
そしてパーティー当日。高級ホテルの会場に入った瞬間、すでに集まっていた参加者の視線が一斉に私に注がれます。少し緊張していると、先輩2人が近づいてきて「あなたどなた? 今日の婚活パーティーは招待されたゲストしか入れないのよ」と言います。
どうやら、私が誰だかわからない様子。2人はコソコソと「こんな美人がいたら私たちの存在が霞むじゃない!」「他のパーティーと間違えているのかも。帰ってもらいましょ!」と話しています。
そう、私は普段の姿からは想像できないほど、おしゃれをしてパーティーにやってきたのです。実は私の姉は、テレビでも引っ張りだこの有名スタイリスト。姉はとっておきの仕事をしてくれたようです。
男性陣が私の周りに集まってきて…
私は名乗り出ることに。「私、職場の後輩です。あなた方2人に招待されました」と言うと、先輩たちは仰天。
そして、驚く先輩たちを押し退けて、私にアプローチしようと男性陣が集まってきます。そこで私は「今日は新規顧客を開拓することが目的ですよね?」と発言。「顧客開拓ってなんだ……?」と男性陣は戸惑っていますが、気にせず「今日は先輩に集客のため参加するよう言われました」と宣言します。
さらに先輩たちに向かって、「もしかして婚活パーティーと称して男女を集めて、エステを宣伝して指名料をガッポリ稼いで、あわよくば玉の輿も狙っていたんですか?」と大きい声で質問。先輩2人はぐうの音も出ない様子です。
会場にいたゲストたちはその話を聞いて憤慨。「利用されていたのか!」「高い会費を返して!」と責められ、先輩たちは「ごめんなさい」と頭を下げるしかなかったのでした。
性格の悪い先輩たちの末路
すべての招待客へ会費を返金した先輩2人。さらに、お店の信用を損ねる行為をしたとエステサロンから厳重注意を受け、同僚たちから白い目で見られることに。
一方の私は、より一層仕事に打ち込み、ある海外ホテルの経営に携わっている顧客から「バリにあるホテルでエステティシャンとして働いてほしい」というスカウトが。
普段から真面目に頑張っていることを知っているエステサロンのオーナーも「あなたならどこへ行っても成功できるわ」と背中を押してくれて、前向きに海外生活を検討しています!
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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