ある日、遠い親族もたくさん集まって大所帯で山登りをすると、義母から連絡がありました。小さい子どもたちもいるので、娘と私にもぜひと……。
実は先日、義母から謝罪を受けました。今までの言動を反省したそうで、許してほしいと言ってきたのです。義母が娘への接し方を変えてくれるのであればと思い、私は謝罪を受け入れ、今回の山登りに参加することにしました。
夫も一緒に参加する予定だったので不安もありませんでしたが、夫は直前に急な出張が入ってしまい、結局、当日は娘と私の2人で参加することに……。
娘がいない!?
そして迎えた山登り当日。
みんなでワイワイと和やかな雰囲気で、娘が義母に冷たくされることもなく、楽しく過ごしていました。そんな中、私の前を歩いていた義母が急にしゃがみ込んだことで、つまずいて転んでしまい、足をくじいてしまった私。
子どもでも登れる緩やかなハイキングコースとはいえ、くじいた足で頂上まで登ることは難しい。しかし、娘は楽しくてまだ帰りたくない……。どうしたものかと考えていると、義妹夫婦が責任を持って娘を連れて帰るから先に帰って病院に行ってと言ってくれました。
義妹夫婦との関係は良好で、普段から仲良くしているので、私は娘を義妹夫婦にお願いして、ひとりで先に帰ることにしたのです。
それから数時間後。
私はみんなが下山するころ合いを見計らい、お礼の連絡をしました。すると、義母は含み笑いをしながら「何か気づかない?」と言ってきたのです。何のことを言われているのかわからず、私が言葉に詰まっていると……?
「あんたの子だけ山に忘れてきちゃった~♪」
「今頃泣いているかもね!」
どうやら義母は、まだ娘が帰宅していないと思っているようです。しかし……。
「娘はここにいますが……?」
先ほど、娘は無事に義妹夫婦がわが家に送り届けてくれて、私の隣でうれしそうに思い出話を聞かせてくれています。義妹夫婦は用事があって、他のみんなよりもひと足先に下山して帰っていたのです。
「え?」
すると、義母はあわあわと焦り出して……。
置き去り事件の真実
なんと義母は、娘をかくれんぼに誘い、山小屋に置き去りにして、下山してきたと言うのです。何を言っているのだろうと私が困惑していると、夫のいとこから「娘がどこにもいない」と、連絡が入りました……。
その連絡を受けて、義母が娘とその子を間違えたのだと気づいた私。今すぐ救助に向かってもらわなければと思い、私は義母にみんなに真実を話すよう説得しました。しかし義母は、自分が悪いことをしたとみんなに知られてしまうと言って拒否。小さな子どもの命がかかっているというのに、なんと義母は自分の保身に必死なのです。
あきれた私は、「私がやったことはみんなに言わないで」と、懇願してくる義母を無視して、みんなに連絡。その後、幸いなことに、いとこの子はすぐに見つかってホッとしました。
いとこの子は、義母に置き去りにされた後、ひとりで外に出たり、泣いたりせず、山小屋のスタッフの方に自分から迷子だと声をかけたそう。一歩間違えれば大変な事件になっていたかもしれない……そう思うとゾッとします。
その後、義母が親族中から責め立てられ、非難されたことは言うまでもありません。どうやら、娘がいとこの子に帽子を貸していたことで、義母が娘といとこの子を間違えてしまったようです。いずれにしても、義母が意図的に小さな子どもを山に置き去りにした事実は変わりません。
義母は、娘を置き去りにしようとしたことを何度も謝ってきましたが、私はもう何を言われても絶対に許せません。
人の道をはずれた義母の末路
今回の事件をきっかけに、私と娘が義母から執拗にいびられていたことを知ったいとこ家族が、親族にすべてを話し、義母は親族全員から縁を切られることに。
夫も義妹も絶縁を言い渡し、孫にも一生会わせないと告げました。義母は、私が許せば、夫も義妹も許してくれるといいますが、そんなわけありません。後日、義父からは「今まで気がつかなくて本当に申し訳なかった」と、謝罪の連絡があり離婚するつもりだと聞きました。
今思えば、あの日、私が怪我をしたのも、義母の計算のうちだったのだと思います。最初から娘を置き去りにするつもりだったのかと思うと、怒りがおさまりません。
どれだけ謝られても、この先、私が義母の行為を、許せる日が来ることはありません。大きな事故や事件につながっていたかもしれない、問題行為です。結果的に大事には至りませんでしたが、法的・社会的に深刻な問題であることに変わりはないのです。
いとこの子は義母のせいで怖い思いをして、心に一生の傷を抱えることになりました。義母は取り返しのつかないことをしたのです。しっかり罪の重さを受け止めて、深く反省してもらいたいです。
◇ ◇ ◇
どれだけ相手が気に入らないとしても、義母がしたことは決して許されることではありませんね。意図的に子どもを置き去りにするなんて信じられません。そして、命に関わる可能性が出てもなお、保身に走った義母。大事に至らなかったから良かったものの、罪の大きさに変わりはありません。深く反省して、一生かけて償ってほしいですね。
幼い子どもを置き去りにする行為は、重大な事故や事件につながる恐れがあり、児童虐待や保護責任者遺棄罪などに問われる可能性もある深刻な問題です。たとえ短時間でも子どもから目を離さず、安全を最優先に行動するよう心がけましょう。
【取材時期:2025年4月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。