嫌みを連発
私は職場の同期、A男にいつも嫌みを言われています。彼は有名大学卒。高学歴であることを誇り、私が中卒だということで見下しているのです。こちらは真面目に働いて、いろいろな知識を身に着けるべく独学で勉強もしているのですが、彼は学歴だけで判断。反論する気も起きません。
先輩たちは学歴がすべてではないとフォローし、実際の私の仕事ぶりをちゃんと見て評価してくれるものの、A男は「俺は有名大学卒のエリートだから」と高慢な態度を崩しません。
実は私は両親を早くに亡くし、祖父母と暮らしていたのです。やさしい祖父母の支えのもと、早く2人を安心させたいと、中卒で働き始めたという経緯があったのですが……。
知らないとはいえ、A男は常にマウンティング。「中卒女は、俺の下でせいぜい頑張れ」という暴言に、あきれつつも黙ってやり過ごすのが一番だと我慢していました。
祝賀パーティーでも…
そんなある日、会社の祝賀パーティーが開催されることに。緊張しながらも楽しみにしていた私は、当日、同僚たちと会場へ向かいました。
すると私は、パーティーでもA男に絡まれたのです。A男は、周囲の目も気にせず暴言を連発。
「中卒にパーティーは似合わないって。会社の祝賀パーティーに中卒が出るとみっともないから、参加不可だよ! 負け組は欠席しろよな~。ほら、帰った帰った」
自分のようなエリートしか出席できない祝賀会だ、と大声を上げました。
そこへ社長が登場。しかしA男は、社長に向かっても「中卒がいると会社の品位が下がりますよねぇ」と言いだす始末。厳しい表情の社長を前に、私はハラハラして立ちすくんでしまいました。
社長の決断
とそのとき、社長がおもむろに口を開きました。「君は中卒なのかね? そうか、わが社に中卒が……」
A男は気を良くしてペラペラ続けます。「そうなんです社長、今どき中卒ですよ? ヤバくないですか? ちなみに俺は有名大の卒業生でして……」
「それで彼女に帰るように言っていたのか……。なら、パーティーは中止だ。帰るぞ!」
青ざめる私に意味ありげな視線を残して、社長はきびすを返して会場を後にしてしまったのです。
A男はニヤニヤしながら私に言いました。
「おい、どうするんだ。お前みたいな中卒がいることで、社長がお怒りになったじゃないか!」
驚きの新事実
しかし、偉ぶるA男に、課長がひと言。「お前、社長が中卒なのを知らなかったのか?」
これには皆、大仰天。「中卒でここまで大きな企業を作り上げた社長に対して、学歴マウントなんて……。パーティーを中止するなんて、よっぽどだぞ!」。A男は顔面蒼白になりました。
さらに、なんというタイミングでしょうか。祖父母が現れて、私には目もくれずA男に名刺を差し出したのです。
「私は今日の招待客だったんじゃが……」
実は祖父は、某企業の会長を務めています。「有名大学卒なら優秀なはず。わが社に来るかい?」とニッコリ。これを聞いたA男は「ぜひ! 俺は、中卒社長の負け組企業でなんか働きたくない」と本音を漏らしたのです。
これぞ大逆転!
しかし、祖父は冷静に言いました。「今日は、こちらの会社とわが社の合併発表だったんだ。両社とも実力主義がモットーだ。学歴だけで人を見下す君とは、今後一緒に仕事はできないね」
そして私の手を取って微笑んだのです。
「君に、毎日頑張っている孫を否定されたくはない!」
「孫ぉぉ!?」とガクブル状態になったA男を置いて、私たちは全員パーティー会場から立ち去りました。
後日……。A男について、社長や私に対してのみならず、クライアントや取引先にも非常識な言動を取っていたことが発覚。上層部の恩情で懲戒解雇にはなりませんでしたが、自主退職という形で会社から姿を消しました。
祖父の会社と合併した後も、私は変わらず今の職場で頑張っています。孫だからといって優遇されたくはありません。これからも、祖父母や社長、同僚の皆の役に立てるよう、日々精進しています。
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学歴マウンティングに非常識な暴言。社会人として人として、これでは誰からの信頼も得られませんよね。社長と祖父の登場で一気に逆転でき、スッキリしたのではないでしょうか。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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