驚きの再会
会社のエレベーター前で、突然名前を呼ばれた私。振り向くと、目の前にいたのは高校時代の元カレA男でした。
「久しぶりだな、負け組女」
驚く私をよそに、A男はニヤニヤ顔。実は、私たちは良い別れ方をしなかった過去があるのです。高校時代、向こうからの告白を受けて付き合い始めたものの、価値観の違いが浮き彫りになり、関係は破綻。特に、私が大学進学ではなく就職を選んだことが決定的でした。
「俺様のパートナーとして、高卒なんてムリ」と言ったA男に、私は一気に冷めてしまったのです。
その後、A男は私の悪口を周囲に言いふらしたのですが、誰も信じることはなく、大事にはなりませんでした。私は自分の道を進み、就職してデザインの仕事にまい進。そんな中での再会だったのです。
相変わらず…
どうやらA男は、その日におこなわれるわが社の面接に来たとのこと。私のことも受験者だと勘違いして、マウンティング発言を連発してきました。
「お前さ、社会での自分の立ち位置わかってる? 高卒とか、底辺だって気付けよな~」
相変わらずの学歴主義で高慢不遜な態度に私はため息。反論する気も起こりません。
「受けようとする会社のホームページくらいちゃんと見なさいよ」とだけ告げ、階段で登ることにして、その場を去りました。
A男は、こちらが面接を諦めたと思ってニヤニヤ顔。私の言葉の意味をまだ理解していない様子でしたが、すぐに知ることになるでしょう。
大逆転!
一方の私は、会社のあるフロアまで階段を登り切った後、会議室に入り、面接官として準備を進めていました。そして、数分後にノックの音が。
人事部の社員に通されて入室してきたのはA男でした。「は? お前……諦めて帰ったんじゃ?」と、まだ事態を把握できないようです。
「何をバカなことを。私は今日の面接官よ」
「面接官? ここの社員!?」
動揺する彼に、社員が極め付きのひと言。「では社長、お願いします」
A男はがくぜんとした表情で「しゃ、社長!?」と声を上げました。
私が満面の笑みで、「本日はわが社の最終面接にお越しいただきありがとうございます」と告げると、A男はしどろもどろになり、文字通り泡を吹いてしまいました。
高慢男に一喝!
「なんで高校しか出ていないお前が、社長だなんて……」
この期に及んで見下してくるA男を前に、私は、冷たく言いました。
「昔、言ったわよね? やりたいことのために就職するって」と過去を振り返りつつ、自分が両親の会社で経験を積み、起業したことを説明したのです。
「わが社は学歴ではなく、やる気と向上心を重視しています。高卒だからと人を見下すような人間は必要ありません」と伝えました。「面接は以上です。お引き取りください」
彼は歯ぎしりしながら、面接室を飛び出していきました。
自業自得よね
その後、A男は他の会社の面接を受け続けたものの、どこにも採用されずアルバイト生活に甘んじていると聞きました。さらに、取引先の企業でもブラックリスト入りしていたらしく、「採用試験で課題を他人にやらせた」などの問題行動も発覚したというウワサまで。
真偽のほどは定かではありませんが、火のない所に煙は立たぬ。そもそもの人格や言動に問題があることに間違いはありません。
「まさか元カレが面接に来るなんて。あのとき別れて正解、今回も不採用にして正解だったわ」
私は改めて、過去の自分の判断を称賛。そして、これからも支えてくれる人々や社員を大切にし、会社をより良くしていこうと心に決めました。
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学校は、長い人生の1つのステップでしかありません。社会に出てから何をし、どんな目標をもって努力をするか。周囲の人々とどうやって信頼関係を構築していくか。これが何より大事ですよね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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