産後太ったままだと私を罵る夫
タイチは2児の父とは思えないほど超甘えん坊! 家事も育児も丸投げなのに、食事だけはしっかり「俺の分ある?」「今日は何?」と催促ばかり。しかも、私がごはんをよそおうとすれば、「それ太るよ?」「食べすぎじゃない?」と口を出し、自分はその私の分を横取りしてペロリ。
ポカンとする娘に対し「パパはぶくぶく太ったママの健康のために食べてあげてるの!」「パパは優しいから、ママのダイエットに協力してあげてんだよ!」と言うのです。まさかの発言に呆れる私に「お前のために食べてやる!」と言い、「おなかにまだ赤ちゃんいんじゃね? 産後太ったままじゃん!」と失礼発言のオンパレード! 最近では娘のお菓子や、まだ8カ月の息子の離乳食にまで手を出すように……。私の目の前で息子の離乳食を味見と言いパクッ。何度も息子の大事な離乳食だと注意しても「余るともったいないじゃん」と聞く耳持たず。
そんな日々で私がどれだけ我慢していたか! 朝食のために早起きしても、結局タイチに食べられてしまい私は食べられず……。そんな中、私をいつも気遣ってくれたのが、まだ幼い娘でした。「ママ、大丈夫? ママのお皿、空っぽだったよ」「パパに食べられちゃったの? 」と小さな声で心配してくれる娘。 本当に泣けてくるくらい、健気で……。
娘、最強アイテムを召喚する!?
ある日、見かねた娘が「ママ、なんでバクバクモンスターを泳がせてるの?」と私に言ったのです。バクバクモンスターとはタイチのことのようです。
私が「泳がせてる?ってなに?」と聞くと娘が「あ!わかった!! 太らせて、動けなくして、この家から出られなくするんでしょ? ママ、すごい作戦だね! 」と本気で言うのです。かわいい娘の発言に思わず笑ってしまいました。でもたしかに、タイチの体は日に日に巨大化中。 歩けば揺れるおなかと二重顎、シャツのボタンも限界寸前。
一度タイチと食べ物を食べ尽くすのはやめてと話し合ったのですが「俺が働いた金で買ってるんだろ? 俺が好きなときに好きなように食べてなにがいけないわけ?」と聞く耳を持たず……。さらには「悔しかったら、出産前の体型に戻ってみろよ!あと3キロだっけ? 早く痩せろよ!」と言う始末。食事を奪い取られ5キロ減量した私は「お言葉ですが、すでに出産で増えた体重は減らしていますけど?」 と返しました。すると「もっと痩せてきれいになれ! そんな体型じゃ、恥ずかしくて俺の横歩かせられない!」と話にならず……。
そのことを知った娘は「私も育成チャレンジする!」と意気込み始め、「今日のおやつはパパにあげよう」と、自分のお菓子まで差し出す始末。 「ちがうちがうちが〜う!!」と私が慌てて止めると「じゃあ私が最強アイテム用意する!」 と言ってニッコリする娘。数日後、現れたその“最強アイテム”は……!?
最強アイテムの登場!
玄関のチャイムが鳴り、ドアを開けると義母と義父が仁王立ち! 義母は「聞いたわよ!ごはんを奪ってるって!?」とものすごい勢いでタイチに詰め寄ります。義母の迫力に動揺するタイチ。続けて義父が「家族の食事を盗むとは……恥を知れ!!」と激怒! 娘が言っていた最強アイテムとは義両親だったのです! これまでのことを義両親に話し、呼び出したというのです。
怯えたタイチは「ダイエットに協力してただけなんだよ!何が悪い!?」と軽口を叩いたのが運の尽き! まさに雷が落ちたような剣幕で義母が「授乳中の妻からご飯を奪うなんて、あんたは妻だけじゃなく息子の命も脅かしているんだよ! 」と一喝! 義父は「お前が妻子にやってきたこと、今日という今日はすべて償ってもらう!」と言います。
義両親の怒りを煽るように私は「もう無理……。おなかがすいて何も考えられな〜い……」 と、その場に倒れ込みます。もちろん演技ですが! 慌てた義母が「大変よ!何か食べ物を持ってきなさい!」と心配しさらに怒り爆発!義父は「こいつは私たちが引き取って、モンスターから真人間に戻れるように努力するよ」と言いました。娘が義両親にもバクバクモンスターだと話ていたことには心の中で大笑いしました! そして私たちは離婚へまっしぐら!
息子の離乳食まで食べる
義両親の協力で離婚届はあっという間に完成。養育費を請求しあっさり離婚が成立しました。夫は「俺を捨てるのかよ!」とゴネたのですが、 義母が「お前のようなモンスターはこの家に居場所はない!」と一喝され、義実家に強制送還。
その後、実家でも食べ物を食べ尽くしたタイチは太りすぎからか体調を崩し寝込むようになったよう。仕事も辞め、今ではバイトと内職を掛け持ちし養育費のために馬車馬のように働いているとか。
私はというと、シングルマザーとして仕事復帰。ごはんを食べても誰にも取られない! 買っておいたおやつがちゃんと残っていることがこんなに平和なんだ……! と毎日実感し幸せな日々を過ごしています!
◇ ◇ ◇
愛情の形が「食べ物を奪うこと」なんてありえません。それはただの自己中心的な考えです。幸せを奪う人のために、我慢は必要ありません。幸せを望むのであれば、一歩踏みだす勇気が必要なのかもしれませんね。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。