まさかの1等当選!からのママ友暴走!?
今日は、半年に1回の商店街のイベント日でした。 この日は一定額以上の買い物をすると福引ができる恒例行事で、毎回地域の人たちで賑わいます。中でも人気なのが、1等の「高級レストランペアディナー券」!その噂を聞きつけて、私も娘と買い物ついでにチャレンジするつもりで商店街へ向かいました。
福引会場に着くと、そこには近所のママ友・ミカさんの姿が。 ミカさんは3児のママで、年齢は私より少し上。とても華やかで、旦那さんは高収入のイケメン! ブランド好きで、自分の幸せ話を隠さず話すタイプの人で、言い換えれば自慢話が大好きなちょっとクセ強ママです。 他のママたちからは「ちょっと苦手」と言われているけれど、私は適度な距離を保ちながら関係を保っていました。
すると私たちに気付いたミカさんが話しかけてきて「私、1等狙ってるの!だって、高級ディナーよ? イケメン旦那と行くのにピッタリじゃない!」 と言うのです。「今日も絶好調だなあ」と思っていると、私の番に。そしてなんと高級レストランペアディナー券が当たったのです! 驚く私に横から「ちょっと待ってよ!」と叫ぶミカさん。 「私じゃなくて!?なんで!?ずるい〜!」と地団駄を踏んで悔しがる姿が……。あまりにも残念そうにしているので、私はつい 「よければ一緒に行きますか?」と声をかけてしまったのです。 そのときのミカさんの目の輝き。今思えば、あれが“「とんでもない事件」の始まりだったのかもしれません。
「いただきっ♪」まさかの強奪劇!
ディナー当日。 私は母に娘を預け、少し緊張しながら待ち合わせ場所に向かいました。今日のレストランは格式ある有名店。初めての高級ディナーということで、私も少しだけおしゃれをして出かけたのです。
そこに現れたのはゴージャスなドレスに、バッチリ決めたヘアメイクのミカさん!「来た来た〜!じゃあ、ちょっとディナー券見せてくれる?」と合流早々に言われて、私は何の疑いもなくバッグからディナー券を取り出しました。次の瞬間、ミカさんは私の手からチケットを奪い取り「ありがとっ♪これ、やっぱり旦那と行くことにするね!」と言い放ったのです! あまりにも突然の出来事にあ然とする私に「私ね、あなたと行くよりイケメン旦那と行きたいの!あなた、旦那さんお留守でしょ? 一緒に行けないんだし許してくれるでしょ?」と言い、にこっと笑ったその顔は、悪びれる様子なんて一切なし。
そのまま手際よくタクシーに乗り込み「それじゃ、楽しんできまーす!」 とだけ残して、颯爽と走り去ってしまったのです。 呆然と立ち尽くす私は1人寂しく帰宅したのでした。
想定外の展開にママ友絶句!
悔しさとモヤモヤを抱えながら、玄関を開けると、娘と母が出迎えてくれました。あまりにも早すぎる帰宅を心配した母が「まさか高級レストランのディナー、もう終わったの?」と声をかけてきました。私は「じ、実は……」と 事情を話すと、娘はなぜかニッコリ。 そして「大丈夫よ、実はね……あのディナー券、裏に“本人確認必須”って書いてあったの。ママがいないと無効になるのよ」と言うのです!
翌日、商店街へ行くとなんとミカさんが立ちはだかっていたのです。私を見たミカさんが鬼の形相で「見つけたわよ! とんだ恥かいちゃったわよ! あんたがいないとレストランに入れないって知ってたんでしょ!?」と声を荒げます。続けて「自分が当てたって旦那に言ってあったのよ!それなのに受付の人に“当選者ご本人が来られない場合は無効です”って言われたのよ! 嘘ついたのバレちゃったじゃない!」と鬼の形相で言うのです。
すると私の姉が登場! 実は姉はそのレストランの受付の仕事していて、偶然にもミカさんの対応をしたと言うのです! 私の名前で予約しているはずなのに、おかしい……。と思った姉は全てを察して毅然と対応したんだとか。ミカさんに対し姉は「他の人の権利を横取りするなんて、ちゃんとしっぺ返しがあるものよ!」と言うとミカさんは大慌てで逃げ去って行きました。
まさかの来客……実は!
その夜。なんとわが家にミカさんと、夫のカイさんが突然訪ねてきたのです。 カイさんは深々と頭を下げ、「この度は妻が本当にご迷惑をおかけしました」と謝罪。さらに「今回の件で、離婚することにしました。人様の物を勝手に奪うなんて……自業自得です」と語ってくれました。話を聞くと、ミカさんは他でも同じようなことをしていたようなのです。
ミカさんは泣きじゃくりながら「ごめんなさい……本当に申し訳ないです」と、反省した様子で繰り返していました。 その後、謝罪として贈られたのは別の高級ホテルのビュッフェスタイルの食事券、4名分! 母、娘、そして姉と一緒に、ありがたく楽しませていただきました!
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人の親切を裏切る行為に、幸せの未来はありません。ズルをして勝ち取ったものには、必ず代償がついてくるもの。一瞬の得より、大切なことは人を思いやる心と、自分を偽らない生き方です。幸せは、ズルをせずに努力を続けた人に、ちゃんと戻ってくるはずです。誠実に生きるのが一番ですね。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。