同居はいろいろと不安がありましたが、義両親と義姉はとても親切で、「子どもが生まれたあとも、一緒に暮らすのも悪くないかもしれない」、そう思っていたのですが……。
夢見たはずの結婚生活……現実は
でも、現実は違いました。
結婚した途端、夫も義家族も態度が一変しました。
みんなで行った高級フレンチレストランの支払いを私がしたことに味を占めたのか、私のほうが夫より収入が高いことを知ったせいか、当たり前のように夫も義父母も「ちょっとお金貸して」「立て替えといて」と言うようになりました。私はいつも断りましたが、「ケチだな」などと文句を言われてしまいます。
もともと義姉と義母は高級ブランドが大好きで、見栄のために背伸びした買い物ばかり。いざとなったら私に頼ろうとしているのが会話の端々からにじみ出ていて、すごく嫌でした。
ことあるごとにお金をせびられることを夫に相談しても、「俺、仕事で疲れてるんだよ」「そんな話、家に持ち込むなよ」と耳をふさぐばかり。「うまくやれ」と、私だけに問題を押し付けるような言い方に、心がすり減っていきました。
「他人だから」旅行にひとり取り残されて
次第に、義家族とも夫とも会話をしなくなっていきました。
そんなある日、夫と義家族が慌ただしく荷造りをしていて、思わず「どこかへ出かけるの?」と聞いてみました。すると、
「貸別荘見つけたんだよ。ベッド4つだから、家族で行くわ」
「お金を貸してくれないやつなんて、もう他人だろ? お前は家でひとりで留守番してろ」
そう言って笑った夫の顔は、今でも忘れられません。
私は静かに離婚を決意しました。
夫からSOSの電話
その夜、焦った様子の夫から電話がかかってきました。
「わりぃ、今すぐお金を振り込んでくれ!! 40万でいいからさ」
格安サイトで予約した貸別荘は実際には売却されていて泊まれず、現金は誰もほとんど持っていないとのこと。カードは上限まで使って止められているので使えないといいます。
私は、電話口で静かに言いました。
「ごめんね、お金は振り込みません。それから、離婚したいです」
離婚へ
電話を切ったあと、実家の両親に事情を話し、すぐに荷造りをして、義家族が帰って来る前に義実家を出ました。
夫から何度もひどい暴言が留守番電話に残されていましたが、私はスルーし続けました。帰宅後、私が家を出たことがわかると「悪かった」「戻ってきてほしい」と態度を一変させ、電話で謝罪してきました。しかし、もうその声に心が動くことはありません。
その後、私は無事出産し、実家で両親の助けを借りながら、子どもと穏やかな日々を送っています。あのまま結婚生活を続けていたらきっと、一生搾取され続けたと思います。子どもが生まれる前に見切りをつけてよかったと思っています。
これから先、困難なこともあるかもしれなませんが、子どもと一緒に、未来を大切に育てていきたいと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。