姉の婚約者はやさしくてしっかり者の素敵な人。しかし、義父がちょっと……。姉の婚約者は次期社長で、今は義父が会社を経営しています。ほとんど仕事をせず、威張ってばかりいて、私は姉が結婚して苦労しないか心配です。
メンツが大事な姉の義父は、結婚式を豪華にしろ、自分にスピーチさせろと、うるさいのだそう。息子夫婦に口うるさいだけならまだしも、なんと妹の私にまでいろいろと言ってくるのです……。
結婚式をぶち壊した義父のスピーチ
彼とデートしていたある日、偶然、姉の義父に会ってしまいました。実は、私の彼も父親の会社を継ぐ予定の次期社長。しかも、同じ業界でライバル関係にある会社です。
姉の義父は、私の彼の会社を侮辱して、私も彼の会社で働いていると勘違いし、「潰れかけの会社で働いているお前とも家族になるなんて恥ずかしい」と言ってきました。
恥ずかしいのはどっちよ……そう思いながら私は、彼の会社で働いていないことと、仕事を辞めたことを伝えました。すると、今度は私をニートだと勘違いし姉の義父。
息子に電話をかけ、「ニートの妹がいるような女とは結婚するな!」と激怒。そして、「俺の顔に泥を塗るようなことはするなよ!」と、きつくくぎを刺します。しかし、姉の婚約者はそれを拒否。「結婚式が終わったらあんたとは絶縁する!」と怒鳴る声が、電話口から漏れ聞こえてきました。
そして、迎えた姉の結婚式当日。
何かあるのでは……と思ってはいましたが、私の予想をはるかに超える非常事態が発生したのです。
スピーチをするため、マイクを握った姉の義父。自分はこんなに立派な企業のトップだと言うのに、新婦の妹がニートだなんて……と言い、「こんな底辺が親戚にいるだなんて恥ずかしい! 一族の恥です!」と声を大にして発言。
会場はざわめき、最悪の雰囲気になってしまいました……。
そんな中、新婦の姉が立ち上がって、マイクを手に取りました。そして、私のことを説明し始めたのです。
実は、私は確かに無職ではありますが、ニートではありません。10代のころからお金のことを勉強し、貯金と投資に励んで、早期リタイアしたのです。私はこのとんでもない姉の義父の会社の大株主でもあります。
「妹のこと、知らないんですか?」
私の正体を知って、真っ青になる姉の義父。大株主の名前を知らないとは、まじめに仕事をしていない証拠。今度は別の意味で会場がざわつきます。
姉が最高のお仕置きを提案♡
そして、怒りが収まらない姉は最後に私に向かって「こんな人の会社の株なんて、全部売却しちゃいなさい!」と言いました。
まじめに仕事をしていない人が代表をやっている会社なんて、潰れるのは時間の問題。私はその場でパソコンを開き、ポチポチ……。そんな私の姿を見て「おい! やめろ!」と騒ぎ、暴れ出した姉の義父。
その後、姉の義父は披露宴会場からつまみ出されました。そして、披露宴は何事もなかったかのように再開し、感動のフィナーレを迎え、無事に終了しました。
私が株を売ったことにより、姉の義父の会社の株は大暴落。しばらくして倒産してしまいました。
社員たちに罪はないので、かわいそうなことをしてしまった……。そう私が心を痛めていると、私の彼が父親に相談してくれて、全員を会社に引き入れてくれたのです。同じ業界で働いていた人たちで即戦力となってくれるので、これを機に事業を拡大すると言ってくれました!
トンデモ義父が辿った悲惨な末路
結婚式が終わったあと、姉の夫はすぐに転職。もともと優秀だったので引く手数多だったようで、これからも余裕のある生活をしていけるようです。
会社を倒産に追い込み、息子からも縁を切られ、お金も行くあてもなくした姉の義父。今は、とても苦しい生活をしているそうですが、自業自得と家族の誰も手を差しのべていないそうです。
一方、私は彼との仲をさらに深め、結婚もしました。姉夫婦も子宝に恵まれ、幸せそうです。これからも、姉夫婦と仲良く、楽しく暮らしていこうと思います。
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人を、会社を侮辱して、自分の息子の結婚式までぶち壊して……とんでもない義父でしたね。姉も妹も家族にならずに済んでよかったです。縁を切ってくれた息子に感謝ですね。姉夫婦と妹夫婦、どちらにも幸せが続くことを願うばかりです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。