ペットボトルから出てきた“謎の物体”
当時、長女は1歳で、保育園の1歳児クラスに通っていました。毎日の送迎で顔を合わせるママさんがいて、子どもが0歳児クラスに通っているとのこと。ある日、連絡先を交換することになり、そこから仲良くなりました。
やがて「今度一緒に遊ぼう」という話になり、私はそのママ友の家を訪ねることに。手土産を持って伺うと、ママ友は「娘ちゃんにジュース出してもいい? ○○さん(私)は緑茶で大丈夫?」と声をかけてくれ、飲み物を用意してくれました。
そして、「このお茶、開けたのちょっと前なんだけど……」とつぶやきながら、ママ友が2リットルのペットボトルに入った緑茶をコップに注ぎ始めたそのとき――
トクトク……と注がれる緑茶の中から、ドボン!と音を立てて、マリモのような緑色の丸い塊がペットボトルから飛び出してきたのです。
私もママ友も一瞬固まり、状況が飲み込めずに無言に。直感的に「これは飲まないほうがいい気がする……」と感じた私。
とっさに持参した娘の水筒を取り出し、「この麦茶、一緒に飲むから大丈夫だよ!」と伝えると、ママ友もすぐに「なんか変なの出てきちゃったね〜、ごめん」と言ってコップを下げてくれました。
ペットボトルの緑茶から出てきた緑色の塊が気になり、私は帰宅後にインターネットで調べてみることに。すると、開封後に室温で放置されていたことで、容器内に入り込んだ空気中の雑菌やカビの胞子が、時間の経過とともに増殖してできたものかもしれないとわかったのです。
当時はママ友と知り合ったばかりで、あの場で笑い飛ばすこともできず、なんとも気まずい空気になりましたが、今となっては「あのときはびっくりしたよね〜」と笑い話になっています。
ママ友はあまり細かいことは気にしないタイプですが、あの一件以来、新品のお茶を出してくれるようになりました。私自身もそれ以降、ペットボトルは開けたら早めに飲み切るように注意しています。
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ペットボトル飲料は、製造時には無菌状態で充填されていますが、一度開封すると空気中の微生物が入り込み、保存状態によっては中で繁殖することがあります。特に高温多湿の環境では菌の増殖が早く進み、見た目に変化がない場合でも中身が劣化していることがあるため注意が必要です。
開封後はすぐに冷蔵庫に入れ、できるだけ早めに、目安として2〜3日以内に飲み切るようにしましょう。また、緑茶は糖分が入っていないため、菌の増殖リスクが低いと思われがちですが、開封後はどのような飲料でも衛生管理が重要です。変色や沈殿物、異臭などの異変に気づいた場合は、飲用を控えてください。
著者:吉川 みきな/30代女性。平成20年生まれ、令和7年生まれの女の子と、平成30年生まれ、令和4年生まれの男の子の4児を育てている母。長女を出産後に大学に通い、看護師の資格を取得。現在は看護師としてパート勤務をしている。
イラスト:森田家
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年4月)