見栄っ張り夫
ある夜私は、夫が買ってきた海外有名ブランドの高級スーツにビックリ。「大学時代の友だちは、皆もっと良いスーツを着ている。安物を着て恥をかきたくないだろ」
そうは言っても、彼の友人は大手企業勤めがほとんど。「あの人たちは高給取りだからブランド物も買えるだろうけど、今のうちの収入じゃ厳しいよ……」と思わず言うと、夫がブチギレました。
「は? 要するにお前、俺を低収入だとバカにしているのか? どうせ月収18万円だよ、悪かったな!」
「待って待って、ごめん、バカにするつもりはなくて……。私が働くのはダメ?」
夫の希望で専業主婦になった私ですが、そろそろまた仕事に就きたいと思っていたのです。しかし夫は即却下。
「ふざけるな。共働きなんて、生活が苦しいって公言するようなものじゃないか。妻を養えない甲斐性なしだと思われるくらいなら、貧しい思いをしたほうがマシ。お前は食費を切り詰めてでも節約しろ!」
聞く耳持たずの夫に、私は「あなたの言う通りにする」とだけ答え、あることを決意したのです。
それならこうだ!
翌日。昼どきになり、夫から怒りのメッセージが届きました。
「弁当箱にままごとの野菜?」
「何の嫌がらせだよ?」
「もう食費がないの」
「あなたが節約しろって言ったんでしょ?」
そう、私は、先日遊びにきためいっ子の忘れ物、玩具の野菜をお弁当箱に入れておいたのです。「空っぽよりは良いでしょ? 見栄っ張りのあなたにはピッタリ」
わが家の家計が苦しいのは、すべて夫のメンツを保つため。身の丈に合わない高級車のローンにカードの支払い、家賃と光熱費を払ったら、夫の給料はほぼゼロです。
「今までは何とかなっていただろ、なんで急に……!」と激怒する夫に、私は告げたのです。
「今までだって足りていなかった。私が独身時代に貯金した分を崩しながらカバーしていたの」
2週間後…
その後私は2週間、夫に粗末な食生活を続けさせました。すると夫がようやく折れたのです。
「もう限界だ。背に腹は代えられない、お前に働くことを許す。ただ、お前の稼げる分なんて大したことはないだろう。これまで通り家事はお前が全部やれ」と居丈高(いたけだか)です。
私は大きくため息をついて切り出しました。
「いつまで私のことを見下しているの? 契約した会社からの提示額は月収25万円。私を格下扱いすることで自分を上げたかった? それももうできないわね。離婚しましょ」
「い、いきなり離婚!? そうなったら俺の評判はどうなる……」
「高慢で男尊女卑な夫は、もうお荷物なだけ。真実が周りに知られても、仕方がないわね」
こうして私は彼と離婚。今後は自分のお金を自分のために使って充実した日々を過ごしたいです。
--------------
亭主関白で横暴な夫は、結局妻に見捨てられてしまいました。夫婦で共働きをしながら心身ともに豊かに生活する道もあったのに……。収入うんぬんではなく、この高圧的な態度が一番の原因ですよね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ウーマンカレンダー編集室ではアンチエイジングやダイエットなどオトナ女子の心と体の不調を解決する記事を配信中。ぜひチェックしてハッピーな毎日になりますように!