それからというもの、夫の態度は冷たくなる一方。帰りが遅くなり、香水の香りをまとって帰宅する日もあるのです。私に不倫を疑われた夫は、逆ギレ。真っ赤になって怒りながら、逃げるようにお風呂に向かう姿を見て、私は夫の裏切りを確信しました。
その翌日、なんと夫の不倫相手が自宅に突撃してきたのです。昨日の今日で、私はとても驚きました。さらに驚くことに、彼女は妊娠をしていると言います。彼女は私に、「離婚して彼をもう解放してあげて!」と言ってきたのです。
「いいよ! 今すぐ離婚するね」
私は冷静に言い返しました。彼女は、私からのまさかの言葉にポカン。そんな彼女の驚いた表情を見ながら、ほくそ笑んだ私。後が楽しみです♡
あっさり離婚が成立…?
不倫相手が突撃してきた日の夜、私はさっそく夫に昼間の出来事を報告。最初こそ驚いていましたが、腹を決めたのか、夫は離婚を申し出てきました。
はらわたは煮えくり返っていましたが、涼しい顔をして離婚を受け入れた私。あっさりと承諾した私に、夫は「はぁ? 本当にいいのか?」と、驚いていました。
そうして、私たちは離婚届にサインし、その翌日には役所に提出して離婚が成立。役所から戻って、私が荷物をまとめていると、夫に腕を絡ませながら再び不倫相手が私に会いに来ました。
彼女は、私に勝ち誇りに来たようでしたが、私も言っておきたかったことがあったので、向こうから来てくれるなんて手間が省けて何より♪
私は、2人に慰謝料を請求することを伝え、ビタ1文も負けてやらないと宣言。すると、何やら2人はヒソヒソと話し始めて、その結果、きっちり払うから2人分の慰謝料を夫に請求するようにと言われました。
夫の父親は会社を経営しています。幼いころからお金に困らない生活をしてきた夫。どうやら、慰謝料を父親に肩代わりしてもらおうと考えているようなのです。不倫の代償だというのに、はなから自分の力で何とかしようと思っていない様子に本当に腹が立ちました。
しかし、もう夫とは無関係。夫が誰に慰謝料を肩代わりしてもらおうと、私には関係がありません。私は最低限の荷物を持って、笑顔で出てきました!
夫からすれば、私は捨てられたかわいそうな女で、不倫相手からすれば夫を取られたかわいそうな女。笑顔で出ていく私のことを2人は不思議そうに見ていました。
実は、私には秘密があるのです! 真実を知って青ざめる2人の顔を想像すると、笑わずにはいられませんでした。
裏切り夫に報復!私の秘密とは?
離婚から数日たったある日のこと、私はある会社のロビーを歩いていました。すると、目の前に、元夫の姿が。私が声をかけると、目をまん丸くして驚く元夫。それもそのはずです。私と一緒に歩いていたのは、なんと元義父(元夫の父親)だったのです。
元夫は、父親に新規事業を立ち上げると嘘をつき、お金をもらおうとしていました。なんと、そのお金で私への慰謝料を支払おうとしていたのです。私の前で不倫相手とヒソヒソ話していたのは、父親からお金をもらうための嘘を考えていたため……。
離婚後、私はすぐにその話を元義父に話しました。会社のロビーでしこたま叱られた次期社長である元夫。ちょうど朝の出社時間だったので、大勢の社員にその現場を目撃されていました。
そして、私が元義父と一緒にいる理由を知らない夫に、元義父との関係について教えてあげた私。仕事の打ち合わせのため、私は会社に訪れていたのです。
すべてを失った夫に幸あれ!
元夫は、私がただパートだけをしていたと思っていたようですが、パートと家事の間にSNS運用を勉強し、地道に収益化して、その仕事でパートの何倍も稼げるようになっていました。個人や企業にアドバイスすることもあり、元義父からも依頼を受けて、一緒に仕事をすることになったのです。
私には、夫と別れても生活に困らない程度の収入があります。「知らなかった」と元夫は言いますが、毎日帰りが遅く、話す時間もなかったので仕方ありません。
結局、元義父が元夫にお金を渡すことはなく、次期社長の話も白紙。親子の縁まで切ったと言います。人生で初めてお金に困った元夫は、借金をして私に慰謝料を支払うことになりました。
さらに、元夫の裕福な家柄(お金)が目当てだった不倫相手は、継ぐ会社も家の財力も失った元夫には用がなくなったようで、すぐに元夫の前から姿を消したそうです。
元夫が今どこで、どんな生活をしているかは知りませんが、人生で初めてする苦労に負けず、自分の力で歩む人生を楽しんでほしいなと思います。
その後、私は元義父に依頼された仕事の成功をきっかけに、忙しく仕事をさせてもらえています。おかげでハリのある毎日。子どものいる暮らしもあこがれますが、おひとりさまの暮らしもなかなか充実していて、幸せを感じています。
◇ ◇ ◇
同じ思いで、夫婦2人で妊活をがんばっていたはずですが、どこですれ違ってしまったのでしょうか。夫は、なかなか子宝に恵まれないことに、苦しくなってしまったのかもしれませんね。苦しいとき、違うことで気を紛らわせたり、癒しを求めたりしたくなる気持ちは理解できますが、その方法を間違えてしまった夫。苦しいときこそ、夫婦で気持ちを共有し合って、2人で乗り越えていきたいものですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。