仲良しのママ友を招待
通う予定の幼稚園の園庭解放で出会ったママ友。家が近所ということもあって仲良くなり、公園で待ち合わせをしてほぼ毎日遊ぶようになりました。
「外だと子どもを見ながらだから、ゆっくり話せないよね」とママ友が話していたので、思い切ってわが家へ招待することにしました。いつも在宅勤務の夫がたまたま週末に出社することになったので、その日に決定。
当日、最寄り駅で10時半くらいに待ち合わせをし、駅前のスーパーで昼食を買ってから帰宅しました。
ママ友の子どもは2歳7カ月の男の子。ママ友の子は家に入るなり、2階の子ども部屋へ直行。わが子たちも後を追い、子どもたちはそのまま遊びたい様子だったので、昼食は後回しにしてしばらく遊ばせることにしました。
ママ友の発言に違和感…
ママ友の子は車のおもちゃが大好きで、息子と好みがぴったり。当然、同じおもちゃを使いたくなり、小さな取り合いが何度か発生しました。私は「子ども同士の喧嘩も大事なコミュニケーション」と思い見守っていたのですが、ママ友が一言。
「○○くん(私の息子)、いつもお家で遊んでるおもちゃだから、いつでも遊べるでしょ? だから、今日は○○(ママ友の子)に貸してあげてくれる?」
ん? ちょっと違和感……。
確かに息子が普段から使っているおもちゃではあるけれど、それをママ友が言うのはなんだか引っかかりました。
その後も、わが家のおもちゃで遊んでいたのですが、ママ友の子は自分が気に入ったおもちゃを独り占めし、時には双子たちが遊んでいる最中のものを奪い取ることも。それでもママ友は自分の子に注意せず、「貸してあげて」と双子たちにだけ譲るよう促していました。
このままでは、うちの双子たちばかりが我慢する展開になりそうだったので、私は2人に「今使いたいなら、無理に貸さなくてもいいよ。大切にしてるおもちゃだから、いつもみたいにたくさん遊びたいよね」と伝えました。
また、「楽しいおもちゃを使いたい気持ちはみんな一緒だから、仲良くじゅんばんこで使おうね」と、私はママ友に対しても意見する気持ちで子どもたちに話したのです。
この言葉を聞いてママ友は少し考えたのか、自分の子に対して「ちゃんと貸してって言ったの?」や「勝手に取ったらどろぼうさんだよ。みんなで使おうね」と声をかけてくれるように。そして、帰り際には「ごめんね」と謝ってくたので、私は「子ども同士ではよくあることだよね。また遊びにきてね」と笑顔で伝えることができました。
私の言い方も、少し意地悪だったかもしれないな……とママ友が帰ってから反省しました。ですが、その場でわが子の気持ちを代弁できたこと、自分の中でモヤモヤをため込まずに言葉にできたことは、親として必要な行動だったのではないかとも思います。
この経験を通して改めて感じたのは、子ども同士の小さないざこざは、日常の中でよくあることだと思いました。それでも、親がどう対応するかで、子ども自身の受け取り方や経験の意味が変わってくるような気がします。時にはしっかり言葉にして伝える強さも持ちながら、ママ友とのちょうど良い距離感を見つけていきたいと思います。
著者:野中 まゆ/30代女性。2022年生まれの男女双子の母。13年保育士として勤務。出産を機に退職し、現在は保育士経験や自身の子育て体験をもとに、在宅で執筆業務をおこなっている。
イラスト:ななぎ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年4月)