食事制限と血糖値測定がつらい…
妊娠糖尿病と診断されたその日から食事制限が始まりました。大好きな甘いものを我慢することはもちろんつらいのですが、それ以上につらかったのが血糖値の測定です。
病院から測定器を借りて、毎食前・毎食後に指先に針を刺し、血液を採って血糖値を測定します。慣れないうちは何度も失敗するし、痛いし、測定の回数が多いのですべての指先の皮膚が硬くなるし……、とてもつらかったです。
それでも、息子を無事に出産するために、私は食事制限と血糖値測定を頑張り続けていました。
夫からの衝撃的な言葉にハッとした
そんな生活が2カ月ほど続いたある日。娘が寝たあと、夫が口にしたのはこんな言葉でした。
「最近、血糖値の話しかしてないよ! 振り回されて娘もかわいそうだし、そんな状態で出産までもつのか!?」
その言葉に、私はハッとしました。
自分では気づいていなかったのですが、私は常に血糖値のことで一喜一憂するようになっていたのです。食事に気をつけているにもかかわらず血糖値が高いときには、イライラして怒りっぽくなり、7歳の娘に怒鳴ってしまったり、夫に愚痴をこぼしたりしていました。
「こんなに頑張っているのにどうして……」と悔しく、おなかの息子に申し訳なくなり泣いてしまうことも。夫はそんな私の様子を見て、「このままでは心も体も壊れてしまうのではないか」と心配していたようです。
娘も、私がイライラするたびに落ち込ませてしまっていたのに、私のことを心配してくれていました。夫にも娘にも迷惑をかけてしまい、申し訳なさと情けなさで、涙が止まらなかった私。
夫が「もう少し肩の力を抜いて頑張ろう」と言ってくれたことで、私は気持ちを切り替えることができたのでした。
それからは、血糖値が高くても過度に気にしすぎず、次の測定までに体を動かすなど、できる範囲で工夫しながら乗り切りました。そのかいあってか無事に息子を出産。息子は今も元気に育ってくれています。もしあのときの夫の言葉がなかったら、私はもっとボロボロになっていたかもしれません。気持ちを切り替えるきっかけをくれた夫には本当に感謝しています。
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「妊娠糖尿病」とは、妊娠中に初めて発見された、または発症した糖代謝異常のことです。自覚症状が少ない一方、母児ともにさまざまな合併症を引き起こす可能性があるため、医師や管理栄養士の指示に従い食事管理や血糖測定をおこなう必要があります。
とはいえ、慣れない測定や制限の継続は、心身ともに大きな負担になることも。そんなときこそ、家族の支えや声かけが、妊婦さんの心を軽くしてくれることもあります。
頑張りすぎず、つらいと感じたときは医師に相談しながら、安心して妊娠生活を送れるよう心がけましょう。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:堂本ちか/30代女性。2015年1月生まれの娘と2022年11月生まれの息子、年の差きょうだいのママ。お調子者の娘とおバカな息子のかわいさに癒やされながら、毎日育児に奮闘中!
イラスト:ななぎ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年4月)