義母は、私の仕事復帰についても懸念を示しています。私が働き始めれば、夫が育児を担う割合がさらに増えることになります。義母は「夫のやさしさにつけ込んでいる」と言いますが、復職は夫婦でよく話し合ったうえで決めたことです。
そもそも、子育ては夫婦で協力しておこなうものだと私たちは考えています。私の仕事の有無にかかわらず、これからも2人で力を合わせてやっていくつもりです。義母は「子どもがかわいそう」「非行に走るかもしれない」と心配していますが、私たちは私たちなりの考え方で、しっかりと子育てをしていきたいと思っています。
義母から届いた荷物を開封すると…!
ある日突然、義母から荷物が届きました。箱を開けてみると、中には見守りカメラの一式が。義母に連絡すると、「子どものベッドが映るように設置してほしい」と指示されました。携帯電話で孫の様子を見たいと言っていましたが、どうやら本当の目的は私の行動を監視することのようです。
その際、義母から「仕事復帰をあきらめたのか」と確認されましたが、「来年から復帰する予定です」と改めて伝えました。義母は、自分の意見を無視されたと憤慨していましたが……復職は夫婦で話し合って決めたことです。それを義母は、私が夫をそそのかしていると思っているようですが──。
さらに義母は、私が仕事復帰にこだわっていることを不自然に思ったのか、なんと不倫を疑ってきました。職場に「会いたい人がいるから復帰したがっているのでは」と思ったようです。もちろん、特定の「会いたい人」がいるわけではありません。ただ私は、自分の仕事=看護師という職業が好きで誇りを持っています。だからこそ、もう一度職場に戻りたいと強く願っているのです。
その思いを義母に伝えたところ、「あなたがいなくても現場は回るわよ」と侮辱とも取れる言葉をぶつけられました。とりあえず、義母に何を言っても平行線なので……今後も私たち夫婦の考えを優先していくつもりです。ただ、あまりにしつこいので娘が寝ているベッドに見守りカメラを取り付けました。
義母から「戻ってきなさい!」と連絡が
ある日、義母から「見守りカメラに知らない女性が映っている。誰に預けてるの?」と連絡がありました。
「子どもを置いてどこ行ったの?」
「すぐに戻ってきなさい!」
義母は電話口で、「あばずれだ」「母親失格だ」と騒ぎ立てています。でも、今ここで私が引き返してしまったら……。実は今、近くの公園で救護活動をしている最中なのです。それを知った義母は「他人よりも自分の子どもの命が優先でしょ」「そんなところで倒れる人が悪いのよ」と、信じられないようなひどい言葉を浴びせてきました。
本当にそれでいいの? だって、私が今、助けているのは──。
「大事な人が助かりませんけど、いいですか?」
「え?」
大事な人というのは「義父」のこと。急病人が自分の夫だと知った途端、義母は急に態度を変え、「何が何でも助けてほしい」と懇願してきたのです。ついさっきまで「放っておけばいい」と言っていたのに……驚きました。さらに驚いたのは、その言葉が義父を心配してのものではなかったこと。義母は「今、夫がいなくなったら生活できなくなる」と言ったのです。パートナーの身を案じての発言ではなく、自分自身の心配――まさかの本音でした。…さすがです。
今までのことを義父や夫に暴露した結果…?
幸いなことに、義父は一命を取りとめました。医師から「私の救護活動がなければ命は助からなかったかもしれない」と聞いた義母は、態度を軟化させ、謝罪と感謝の言葉を口にしました。
普通に考えて、生まれて間もない赤ちゃんを、いくら緊急事態とはいえ家にひとりで置いていくわけがありません。義父の容体を知らせに来てくれたご近所の方に、娘のことをお願いしていたのです。見守りカメラに映っていたのは「お隣の女性」でした。
そろそろ義母の態度に我慢できなくなった私は、この機会にこれまでのことを義父や夫に打ち明けることにしました。義母から浴びせられてきた数々の心ない言葉……。やさしい家族に心配をかけたくなくて、また無用なもめごとを避けたくて、ずっと黙って耐えてきましたが、もう限界です。義母は「助言のつもりだった」と言い訳をしていましたが、それが的外れだったことは明らか。私は耳にしました。義母が近所の方に向かって、「嫁いびりで憂さ晴らししてるのよ。困った顔を見るのが一番の楽しみ」と、笑いながら話していたというのを。
義母の言動をすべて知った義父はついに愛想を尽かし、離婚を決意しました。もともと義父は義母の浪費癖にも長年悩まされていたようで、「これで老後の不安が少し和らいだ」と話していました。また、夫も義母との縁を切ると宣言しています。
その後、私は職場に復帰。夫や義父のサポートもあり、育児・家事・仕事に全力で取り組んでいます。
◇ ◇ ◇
“心配”を盾にした干渉や監視は、思いやりとは言えませんよね。他人の価値観に惑わされることなく、夫婦で出した答えを信じて、家族みんなが笑顔で過ごせるような家庭を築いてほしいですね。
【取材時期:2025年4月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。