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義父が他界「介護ご苦労!出てっていいぞ!」離婚を迫る夫。「じゃあ遠慮なく♪」スキップしながら家を出たワケ!

私は義実家で同居しながら、寝たきりの義父を介護しています。義父は余命宣告を受けており、つきっきりでお世話する必要がありますが、あまり苦には思っていません。なぜなら義父は、この家で唯一私にやさしい人だからです。

夫は毎晩のように飲み歩き、仕事の付き合いだと言ってキャバクラ通い。若い女性に散財しています。義父と過ごせる時間は、もう限られているのに土日すら介護を手伝おうとせず……。

当初は、夫も義母も一緒に介護をする予定でした。しかし、結局は私ひとりに任せっきりで、私へ仕事を辞めるよう説得してきたのです。義父のお世話をすること自体は嫌ではありません。ですが、少しは自分の時間もほしいし、好きな仕事も辞めたくないというのが本音でした。

 

しかし、私がお世話をしなければ義父は……そんな想像をしてしまい、私は仕事を辞めたのです。義父の介護が本格化して2年、私は美容室にも行けていません。

 

私が夫に少し介護の手伝いを頼むと、義母が割って入ってきて「それは嫁の仕事でしょ? 息子にそんなことをさせるな!」と怒ってきます。さらに夫も「母さんもああ言ってるし、ひとりで頑張れ〜。俺は外で働いているから、介護する必要ないんだよ」と義母に乗っかってきます。

 

義母はというと、同居して以来、私に意地悪や嫌みばかり。ずっと家にいますが、介護どころか家事も何ひとつ手伝ってくれません。

 

 

やさしい義父がついに…

意地悪な義母とは正反対で、義父は本当にやさしい人でした。毎日介護する私のことを思いやり、いつもやさしい言葉をかけてくれます。結婚以来、要介護になる前からずっと私を気使ってくれている義父。私はその恩返しだと思い、お世話をさせてもらっています。

 

そんな義父は、最近少し調子が良く、とても活動的に過ごしていました。先日は、医師の許可のもと、2人でお出かけもしました。その際に義父は、弁護士を呼んで、何やら2人で話をしていたのです。来るべきときに備えて準備しているようでしたが、私は何だか寂しく感じていました。

 

それから1週間後、急激に体調が悪化し、義父は危篤状態に。最期は、何とか家族で見送ることができましたが、夫も義母も、少しも悲しんでいる様子がありません。それどころか、葬儀中はずっと2人でヒソヒソ談笑し、笑みを浮かべていて、不謹慎で非常識な態度に本当に腹が立ちました。

 

夫と義母は、遺産のことで頭がいっぱいだったのです。施設に入れず、家で介護しようと言ったのも、実は義父のためではなく、お金のため。遺産が1円でも減らないよう、家で私に面倒を見させて正解だったなどという会話が聞こえてきました。

 

義父はあんなにやさしい人だったのに、どうしてこの人たちは……そんなことを思いながら、ひとりで葬儀の片付けをしていると、終盤から姿の見えなかった夫から連絡が入りました。

 

 

介護要員としての役目を終えた私は…

「父さんの介護ご苦労様!」
「もう出てっていいぞ♪」

夫は、もうサインした離婚届を家に置いてあるから、片付けが終わって帰ったらサインして提出してくれと言います。


「ありがとう! お義母さんの介護よろしく!」
やさしい義父ももういない。これ以上夫と夫婦でいる必要がない私にとっては願ったり叶ったり。離婚を受け入れ、出て行くことにしました。

 

「は?」
夫は、私が何を言っているのか、理解できていないようでした。夫には義母が元気にしているように見えるようですが、実は認知症の兆候が出始めていたのです。

 

私が離婚したくなくて、脅しのためにそんな話をしていると夫は考えたようですが、そんなはずはありません。今まで散々2人にしいたげられてきたのに、これ以上一緒にいたいと思うわけがない。それに、意地悪な義母を介護してあげるほど、私はお人好しではありません。

 

飲みに行っていたのか、ガヤガヤうるさい中から、慌てて電話をかけてきた夫。「どういうことだ? 母さんは元気だぞ! 認知症なわけあるか! いい加減なこと言うな!」と言う夫に私は、「"お義父さん”の介護要員だった私にもう用はないんでしょ? 葬儀の片付けも終わったので、遠慮なく出て行かせてもらいます」と告げました。

 

すると夫は「俺はすぐに、若くてかわいい嫁をもらう! ずっと俺が既婚者であることを残念がられていたんだ! 早く出て行け! 生活できなくなっても俺を頼るなよ!」と怒鳴ってきたので、私は電話を切り、サインした離婚届を持って、スキップしながら家を出ました。

 

それにしても夫、どこか抜けています。今この瞬間のことしか考えられないのか、いずれ義母の介護は必ず必要になりますが、そのことは想像もしていない様子。きっと義父を私に介護させたのも義母の入れ知恵だったのでしょう。

 

それに、夫のいう、若くてかわいい嫁というのも、恐らくキャバクラの女性。リップサービスを夫だけが本気にしているのだろうと想像すると、あわれで笑いが止まらなくなりました。

 

 

私を捨てて後悔?夫の自業自得な末路

離婚後、しばらく経ったある日。元夫が激怒しながら連絡してきました。義父の遺言書が公開され、長年の介護への感謝として、私に多くの遺産が遺贈されると知ったためです。配偶者と子の遺留分に配慮したうえで、弁護士を介した正式な遺言でしたので、相応分を受け取らせていただきます。

 

義父は、介護を一切しなかった妻や息子より、毎日つきっきりで介護していた私こそが愛する家族だと、私に財産を残せるよう手続きを進めてくれていたのでした。

 

夫はキャバクラの女性と結婚を約束していたようですが、やはりただのリップサービスだったようです。想像していた通り、元夫だけが本気にして浮かれていたのでしょう。

 

しかも、私が出ていったことでいびる相手がいなくなり、元夫も帰りが遅くほとんど会話しないせいもあってか、義母の認知症が急激に進んでしまったそう。ひとりでは面倒を見きれないと泣きついてきました。やはり私しかいないと再婚を求められましたが、義母のお世話が目的であることは明白。そもそも、私は義父がやさしくしてくれたから介護を引き受けたのです。さんざん嫌がらせをされた義母の介護なんてお断りです。

 

その後、元夫は大変な生活を送っているようです。義母のお世話のために休職を余儀なくされたようで、収入も激減。そのストレスからか、義父が残してくれた遺産もあっという間にギャンブルで使い切ってしまったとか……。

 

一方、私は義父からいただいた遺産を大切にしながら、好きだった仕事に復帰し、今はとても充実した毎日を過ごしています。

 

◇ ◇ ◇

 

頑張っていれば必ず報われるというわけではありませんが、やさしい恩返しに、義父からのやさしいお返し、心が温まりますね。自分の親を献身的に介護してくれた妻へ、感謝もせず、離婚を突きつけた元夫でしたが、自らが実母の介護に追われる日々を過ごすことになるとは……誰かを都合よく利用しようとすれば、その報いは必ず自分自身に返ってくるものなのかもしれませんね。誰に対しても感謝の気持ちを忘れず、誠実に向き合いたいものですね。

 

【取材時期:2025年9月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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