夫とは職場で出会い、結婚を前提にお付き合いしていました。でも、妊娠がわかったのをきっかけに結婚を早めたら、夫の態度がまるで変わってしまったんです。それから半年、私は我慢を重ねていました。
やさしいと思っていた夫の真の姿
付き合っていたころの夫は、本当にやさしい人でした。
私の気持ちを尊重してくれて、「無理しないでいいよ」「君の考えを大事にしたい」――そんなふうに言ってくれた人だったのに。
結婚した途端、彼の口から出てきたのは、「家事育児は嫁の仕事!」「家のローンの支払いもよろしく!」という信じられない言葉でした。
出産前に両親・義両親の説教!
「わかった」
私は家庭を壊したくない一心で、笑顔で答えたものの、このまま出産し育児が始まるなんて耐えられない……我慢の限界がきた私は、現状を両親・義両親に伝えました。夫の普段の様子を、こっそり撮影して動画で見せたのです。
夫のひどい言動を知った両親たちはすぐに動いてくれて、数日後わが家に両家の両親が集まりました。リビングに集まった大人たちの空気はピリッとしていました。
義父は「子どもを産むのは命がけ。産む前も、産んだあとも苦労の連続なんだよ! だからこそ、夫のフォローが必要なんだよ!」と諭します。
義母は「おなかの子は、あんたの子でもあるのよ! なのに育児は嫁の仕事? ふざけんじゃないよ!」としっかり注意してくれました。
私の母も「奥さんが命がけで産んでくれるんだから、あなたが中心になって育児くらいしなさい! 男親にできないことなんて、授乳くらいなんだから」と、夫を注意してくれたのです。
夫の猛省と謝罪
周囲から怒られ続けた夫は、顔が青ざめてきて、最後には小さな声で言いました。
「……ごめん、俺が間違ってた。同僚や先輩に『お前は夫として甘すぎる』って言われて、その言葉に流されてしまったんだ。もう一度、ちゃんと夫婦としてやり直したい」
そう言って、目に涙を浮かべながら、土下座をしました。
私は彼の目を見つめ、もう一度だけチャンスを渡してみようと思ったのです。
激変した夫と、家族の在り方
やがて娘が生まれ、私たちにとって新しい日々が始まりました。
心配していた夫は、夜泣きには自ら起き、ミルクもおむつ替えも率先してこなしてくれて、今のところはとても良い父親です。
「ありがとう、産んでくれて」と言われたとき、涙がこぼれました。
完璧じゃなくてもいい。少しずつ、家族になっていければいい。
そう思えるようになったのはあの夜、みんなが私の味方でいてくれたからです。そして、素直に非を認め、心を改めてくれた夫にも感謝しています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。