その原因は、娘の幼稚園のママ友、A子。
噂話や悪口が大好きで、本人のいないところであれこれ話しては、みんなを困らせるのが趣味のような人です。
夫の浮気をリークしてくるママ友
他のママたちも、A子とは少しずつ距離を取っている様子。そして今、私たち家族がA子のターゲットになっているのです。
顔を合わせるたび、A子は私にこう言ってきます。
「あなたの旦那さん、浮気しているところを見たのぉ~!」
「こないだは女性と腕を組んで歩いていたわよ!」
最初は「そんなことあるわけない」と軽く流していました。
でも、その態度がA子にはおもしろくなかったようで、どんどんエスカレート。ついにはお迎えのとき、園庭でも大きな声で言うように。周りのママたちがチラチラとこちらを見るたび、胸がぎゅっと締めつけられました。
嘘に嘘で返す作戦
そんなある週末。娘と公園で遊んでいたときのことです。A子と遭遇してしまい、わざとらしい声で話しかけてきました。
「ねぇねぇ、あなたの旦那、浮気してるってば! 本当に気づいてないの?」
あまりにもしつこいので、私は「もう離婚する前提で話し合ってるから」と思わず口にしました。もちろん夫婦関係は円満なので、離婚の話なんてありません。
その瞬間、A子の目がキラキラと輝き「はぁ~!? あれ嘘だよ! 信じて本当に離婚するとかマジウケる〜!」と手を叩いてゲラゲラ大笑いしたのです。
青ざめた“目撃者”
そのとき、ふと視線を感じて隣を見ると――A子の夫が立っていました。
仕事から帰宅途中にA子を見かけ、近づいてきて偶然この一連のやり取りを見てしまったようです。
「全部聞いてた。……どういうつもりだ、A子」
彼の静かな怒りの声に、A子は一気に顔色を変えました。A子の夫は「妻がすみません。話を聞いて、のちほど伺わせていただきます」と言い、A子を連れてその場を後にしました。
後日、聞いたところによると、家に帰ってから相当きつく叱られたそうです。
嘘の裏側にあったもの
その後、A子は私に直接謝罪してきました。
「今までごめんなさい。実はね、夫がずっと出張ばかりで寂しかったの。だから、幸せそうな家庭を見るとうらやましくて、つい困らせたくなっちゃって……」
「私のせいで離婚することになったの? それなら本当にごめんなさい……!」
私が「離婚を検討しているという話は嘘」と明かすと、A子は「よかった……!」とホッとした様子。そして、同じ園のママたちの誤解を解くことを約束し、A子の夫は週末の出張をなくすなど家族の時間を取れるように調整してくれるようになったと教えてくれました。
誰かをうらやんで、傷つけても、自分の心が満たされるわけじゃありません。
それに気づけたA子が、これから少しずつでも変わっていけるといいなと思いました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。