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父が意識不明で緊急入院「よっしゃー!」遺産ゲットと喜ぶ兄→そんなにうれしいの…?でも実は父は…!?

ある日、父が外出先で倒れて救急搬送、意識不明となり入院しました。就職を機に、実家を出ていた私は病院からの連絡を受けて急いで病院へ。しかし、父と実家で同居している兄夫婦の姿がどこにも見当たりません。兄に連絡すると、フェスの会場にいると言います。父が大変な状態だというのに、兄は「俺たちがいてもいなくても同じだろ」と言って、病院に来ることはありませんでした。

今まで散々、父に迷惑をかけてきたのに、そんなひどい言葉が出てくるとは……。

その後も結局、兄夫婦は父のお見舞いに一度も来ていません。私が父の着替えを取りに実家へ行くと、兄は「いきなり来るな」と言います。事前に連絡もして、インターホンも押したのですが、反応がなく、仕方なく合鍵で実家に入ると怒られたのです。

 

そもそもここは、私の実家でもあるので、怒られる筋合いはないのですが……。

 

父のお見舞いに来ないどころか、兄は…

しばらくの間、父はひとり暮らしをしていましたが、父のことが心配だとか、それらしい理由をつけて、強引に同居し始めた兄夫婦。本当は金銭的な問題から致し方なく、父と同居し始めただけ。しかし、いつも大きな顔をしています。

 

兄は、学生時代に借金をして困った時期があります。車で事故を起こし、慰謝料を支払わなければならないときもありました。そのたびに頭を下げ、お金を用意したのは父です。それなのに、父を心配するそぶりも見せず、お見舞いにも来ないのです。

 

久しぶりに行った実家は、足の踏み場もないほど散らかっていて、すごい状態。兄夫婦は、家事をまったくせず、どうやら父に丸投げしていたようでした。運動不足だから体を動かしたほうが良いと、あたかも父のためであるかのように言っていたのです。

 

父の入院中の世話は、私に全部任せると言う兄。「意識がなくてもきっと声は聞こえているから、たくさん声をかけてあげてください」と、医師に言われました。せめてそれだけでもしてほしいと伝えると、なんと兄は録音した音声メッセージを私に送ってきたのです。

 

父が倒れてから、すでに2週間。
兄は、目覚めないと諦めていますが、私は、少しでも長く父に生きてほしいと願い、声をかけ続けています。そう私が話すと、「俺だって生きていてほしい」と言った兄。そして、父が生きていればタダで生活できると続け、私を激怒させました。

 

私が怒っていることなど気にもとめず、遺産の話を始めた兄。しまいには、入院中のことは全部私に任せるから、父が亡くなるまで連絡してこなくていいと……。

 

安心して旅立つために不要なものを処分

数日後、私が兄に連絡すると、ついにそのときが来たと思った兄。さっそく、遺産の話を持ち出してきました。

 

「よっしゃー! ついにか!! しぶとかったな」
「それで、遺産はどれくらいだ? 家は俺がもらうからな!」

兄は完全に父が亡くなったと思っている様子で、遺産が手に入ると浮かれていたのです。本当に信じられません。

 

「そんなにうれしいの……?」
「え、うん」

父の死を兄があまりに喜ぶので、私は悲しくて涙が溢れました。しかし、父は亡くなってなどいません。父が意識を取り戻したので、私は兄に慌てて連絡したのです。

 

私は兄に父の状況を説明しました。すると、兄は焦って必死に言い訳。実家の片付けが負担にならないように、私のためを思って、実家のことを話したと言います。遺品の整理は、父と同居している自分が引き受けるという意味だったそう。

 

それを聞いて、「自分の荷物は普段から整理してあるから、お前たちに迷惑をかけることはない。整理しなければならないのはお前たち夫婦だろう」と兄に言う父。母が亡くなったときに不要なものは処分したため、自分がどうにかなっても、残された私たちの負担にはならないと言います。

 

そして父は、退院したらもう一度、不要なものを処分すると宣言。これは、兄夫婦を追い出すという意味でした。意識が戻って私の顔を見た父は、安心して旅立つために、「不要なもの」=「兄夫婦」をなんとかしないといけないと思ったそうなのです。

 

心を鬼にして…父の決断とは?

自分たちの力だけで、生計を立てられていない兄夫婦。今回のことで、父は先のことを真剣に考えなければいけないと思ったと言います。心を鬼にして、縁を切ることを決意したそう。突然の絶縁宣言に慌ててお見舞いに来た兄夫婦でしたが、父は面会を拒否しました。

 

兄は私に、父との仲裁を求めてきました。しかし、兄は遺産ばかりを気にして、父のことをまったく心配していなかったのです。私は父の意思を尊重することに。兄は、私が遺産を独り占めするために、父をそそのかしたと言いがかりをつけてきましたが、絶縁は父の意思で、私が説得したわけではありません。

 

兄はもう十分すぎるほど、すねをかじったはず。そろそろ真剣に働き、長続きさせなければ先はありません。実は、倒れる前に父は、実家を売る手続きと、介護付きの施設への入所手続きを進めていたそうで、タイミングを見計らったかのように、父が回復すると、施設から空室が出たと連絡があったのです。

 

まもなく住む場所を失いますが、引っ越しするお金がない兄は、家族なら助けてくれと言ってきました。家族なら助けてと言うのなら、なぜ父が倒れたときあのような態度を取ったのでしょう……。あの時点で、兄は自ら家族であることを放棄したのです。

 

その後、無事に退院した父は、しばらくして施設に入所しました。新たな出会いがたくさんあり、施設での生活を楽しんでいる様子です。私が会いに行くといつも楽しそうに話してくれます。兄という大きな荷物をおろした父の、残りの人生が豊かなものになれば良いなと思います。これからも、私はそばで父を応援したいと思います。

 

◇ ◇ ◇

 

自分を育ててくれて、大人になってもなお、面倒を見てくれていたお父さんに対して、兄はあまりにもひどい態度でしたね。実の息子と縁を切るという選択は、決して容易ではなかったはずです。兄には、お父さんにそこまでさせてしまったことを反省し、この先は自分のことは自分で責任を取って、お父さんに恥じない人生を歩んでほしいものですね。

 

 

【取材時期:2025年4月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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