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父が経営する病院の看護師「院長夫人の座を譲れ!」次期院長の夫を略奪→喜んで!私が快諾したワケとは!?

私の実家は病院を経営しています。父が引退するため、理事会での承認を得ることができれば、次期院長には夫が就任する予定です。それを知った義母は大喜びで「息子は医師として優秀なだけでなく、経営についても貪欲で院長に向いている」と自慢げで……。

最近、夫の幼なじみが看護師として実家の病院に転職してきました。もちろん夫のコネです。口を利くように言ったのは、彼女と仲の良い義母。私は何かと、「幼なじみのあの子なら……」などと比較され、夫と彼女の親密さをアピールされてきました。

 

それは、幼なじみの彼女も同じ。彼女が転職してきてからというもの、毎日帰りが遅くなる夫。彼女と毎晩食事をして帰ってくるからです。「彼女は病院に俺しか知り合いがいないから、気遣ってあげている」と夫は言いますが、実際には2人は不倫関係にあるのではないかと私は疑っていました。

 

夫に幼なじみと彼女を紹介されたときから、彼女は私に敵意むき出し。先日も私が父に会いに病院に行ったときも、彼女と会ってしまい「私のほうが付き合いが長くて、彼のことをよく知っている」と親密さを強調されました。

 

そして彼女は、義母からも公私ともに夫を支えてほしいと頼まれていると言います。同僚へのプレゼント選びなど、彼女は妻として私がするようなことを夫から一任されており、最近は経営や経理などにも関心を持ち、勉強しているそうです。

 

夫の不倫相手から宣戦布告

そろそろ、父の引退の日が近づいてきました。つまり、夫が病院の全権を握る日が近くなったということ。そんなある日のこと……。

 

「奥さんとは離婚するそうです。彼を支えてるのは私なの♡」
「さっさと院長夫人の座を譲れ! オバサンに彼はもったいない!」

夫の幼なじみが、私を妻の座から引きずり下ろそうとしてきました。ついに、私は彼女から宣戦布告されたのです。

 

「どうぞどうぞ、喜んで!」
しかし、このとき私は夫の不倫も、それ以外の悪事もすべて知っていました。すでに夫への愛も冷めていたので、執着せず彼女の要望を快諾。

 

「諦めが早くて助かる~♪」
そして私は、最低限の荷物だけを持って家を出ました。義母も彼女のことを気に入っています。嘘をついて私を裏切っていた夫もいらないので、気分は爽快。

 

後に判明したことですが、夫と義母は結婚前から病院を乗っ取る計画を立てていたのです。地味でつまらないけれど、院長の娘である私と結婚することで、出世の足がかりになると考えた夫と義母。それが目的で、夫は私に近づき、結婚。幼なじみも計画を知っていて、夫とは結婚前から親密な関係でした。

 

病院乗っ取り計画の裏で…

天下を取れると、ウハウハの夫と義母、そして幼なじみ。しかし、父からすべてを聞かされていた私は、落ち着いていました。

 

夫は医師としての腕は確かに優秀で、夫を支持する医師たちは結構いたのですが、夫は素行に問題があったのです。夫は、まだ正式には院長に就任していませんが、すでに次期院長候補として扱われており、院内での影響力を行使していました。院長の娘である私の夫、次期院長候補という肩書きを盾に、看護師たちへのセクハラやパワハラを好き放題していたのです。

 

私の父は、温厚で普段おっとりしているように見えるのですが、実は相当な切れ者。いち早く、夫と義母の怪しい動きに気づき、こっそり院内を調査していました。そして、院内で聞き取りを行なうと……。

 

院内の噂やゴシップに詳しい看護師たちからの証言で、夫が結婚前から病院を乗っ取る計画をしていたことがわかりました。また、幼なじみの彼女は、転職初日から自分は夫の本命彼女であると公言し、自分の仕事やミスを他の看護師へ押し付け、遅刻や欠勤を繰り返し、現場へかなりの迷惑をかけていたことがわかりました。

 

これらの事実が発覚し、父はつらい思いをしていた看護師たちに謝罪。そして、夫と幼なじみを追放し、状況を改善することを約束したのです。父の意向を聞かされた私は、もちろん父を支持しました。

 

父を支え、新しい人生をスタート

次期院長を決議する会議が行なわれる日の朝。
父は、院長室に、夫、義母、幼なじみの3人を呼びました。何も知らない3人は、いよいよこの日が来たとニヤニヤしながら院長室へ。しかし、いよいよこの日が来たと意気込んでいるのは私たちのほう。

 

「失礼します!」ノックして院長室に入ってきた夫たちに、まず父が「君にこの病院を任せるわけにはいかなそうだ」と、ひと言。

 

続けて、夫が看護師たちにセクハラしている映像や、パワハラしている音声を次々と再生し、幼なじみが他の看護師たちに自分の仕事を押し付けた証拠となる記録や、遅刻や欠勤の勤務データを提示。そして、このような人物を病院に置いておくわけにはいかないと、父は夫と幼なじみに退職を求め、父はこれらの事実を理事会に報告し、夫の次期院長就任を白紙に戻すことを提案。理事会も父の判断を支持し、夫を次期院長とする内定を取り消すことが決議されました。

 

一方私は、専門機関に依頼して手に入れた夫と幼なじみの不倫の証拠を突きつけ、離婚を宣言。言い逃れのできない証拠の数々に、3人はがく然。

 

そうして、夫と幼なじみは退職に同意し、病院は平穏な日々を取り戻し、私も無事に夫と離婚。弁護士を交えて話し合った結果、私は2人からしっかり慰謝料を受け取れることになりました。看護師たちは法的措置を取らなかったものの、2人に関する噂が広がり、現在も再就職先が見つかっていないと聞きます。

 

私は、引退を撤回し、院長を継続することとなった父の秘書として仕事を始めました。陰ながら、父とこの病院を支えていこうと思っています。

 

◇ ◇ ◇

 

誠実さを欠いた振る舞いには、いつかきちんとツケが回ってくるのですね。医師や看護師など医療に携わる仕事は、人の命を扱う責任の重い仕事です。そんな責任の重い仕事をしているからこそ、誠実であることが何よりも大切なのではないでしょうか。出世のために結婚し、その妻を裏切り続け、病院では看護師たちにひどい扱いをしていた夫。そんな人が院長にならなくて本当によかったです。大変な医療の現場で働くスタッフの支えとなることは、素晴らしいことです。新しい人生が幸多きものになるといいですね。

 

 

【取材時期:2025年5月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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