離婚してしばらくは、養育費の支払いと月に1度、娘と面会する約束を守ってくれていた元夫。しかしある日突然、「再婚するから、養育費も面会もやめたい」と言ってきたのです。
もちろん、そんな身勝手な申し出は法的にも認められないので、断ったのですが……。
元夫の「婚約者」から突然の電話
数日後、料理教室の最中に、元夫からしつこく電話がかかってきました。教室から出て電話を取ると「私は彼の婚約者よ! いつまで彼をしばりつける気なの!?」と、知らない女性がいきなり怒鳴ってきたのです。
私は思わず「いきなり何なんですか!?」と大きな声で反論してしまいました。その声が教室の中にも聞こえてしまったようで、最近入会した男性生徒・Aさんが「大丈夫ですか!」と心配して教室から飛び出てきてくれたのです。
私は電話を耳から離し、「大丈夫です。すみません!」とAさんに伝えて、教室に戻ってもらおうとしていると……。
元夫の婚約者は「ちょっと、あんた! 聞いてんの!? 彼はもう養育費を払わないし、あんたの子どもにも会わない! 私と再婚するんだから!」と大きな声で怒鳴って、電話を切りました。
私は電話の内容を聞かれてしまったので「お騒がせしてすみません」と、Aさんにひと言。すると、彼が驚いた表情で「い、今、電話していた女性って、もしかして……」と言うのです。
「え、お知り合いですか?」と私が聞くと、「あの声はたぶん……いや、間違いなく私の妻です」と、衝撃のひと言が返ってきました。
そこで私は、電話の女性は誰なのか、本当に婚約者なのか、元夫にメッセージを送信。すると、すぐに「俺の婚約者だ! ◯◯ちゃんと再婚する!」というメッセージとともに、ラブラブな2ショット写真が送られてきました。Aさんに確認してもらうと、間違いないとのこと……。
浮かれる2人に反撃開始!
その日の料理教室が終わった後、改めてAさんと話すと、なんとAさんは元夫の上司だということがわかりました。そこで私たちは、2人で協力することに。
数日後、私は元夫に電話をしました。すると、電話に出たのは元夫の婚約者。「断っても無駄よ! 彼は私と再婚するの! 養育費も面会もやめるのよ!」と、さっそく怒声。
私は2人が一緒にいるかを確認したかったのですが、聞くまでもなく一緒にいることがわかったので、「わかった。仕方ないね」とだけ言い返した私。電話の奥から元夫の「やったー! あとは◯◯ちゃんが離婚するだけだね!」と、うれしそうな声も聞こえました。
これから大変なことになるとも知らず、能天気な2人の様子にあきれて、思わず笑いが込み上げてきた私。Aさんとの作戦がうまくいきそうで、内心『良かったー!』と叫びました。その後すぐ、私はAさんと一緒に元夫の家へ突撃!
インターホンを押すと、家から出てきた元夫が私たちの顔を見るなり、絶句!
「な、なんで、Aさんが……!?」
元夫は、会社の上司・Aさんの姿にうろたえます。
「私の妻がいるだろ。今すぐ呼んでくれ!」
Aさんの迫力に押された元夫は、真っ青な顔で婚約者を連れてきました。私たちはこの日のために、2人がデートしている姿を見たという目撃証言を社員から集めておいたのです。そう伝えると、あっさり不倫を認めた2人。そして、私と離婚する前から親密な関係だったことも白状しました。
上司の妻と不倫した元夫の末路
2人の不倫は瞬く間に社内に広まり、元夫は居づらくなり自主退職。今では慰謝料の支払いにより抱えた借金を返済するため、アルバイトを掛け持ちして働き詰めです。もちろん、身勝手な理由で養育費を止めることはできないので、しっかり支払い続けてもらっています。
元夫の婚約者も、慰謝料を支払うために借金を抱えることに。Aさんとは離婚しましたが、元夫とも破局。なんと、他にも不倫相手がいたようで、そちらからも慰謝料を請求されているのだとか……。
私はというと、娘と2人で平和に楽しく暮らしています。最近の娘は、「ママみたいに料理上手になるのが夢」だなんて、うれしいことを言ってくれるのです。娘のためにも、これからも元気に働いて、前向きに過ごしていきたいと思っています。
◇ ◇ ◇
大切な人を裏切ってまで手に入れる幸せは、長続きしないということがよくわかりました。そして、世間は意外と狭いものですね。周りにバレてしまう可能性、いろいろな物を失ってしまうリスクを想像し、自制心を持って行動したいものです。2人には、しっかり反省してもらい、また誰かを傷つけることのないよう、誠実に生きていってほしいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。