妊娠がわかってセックスから遠ざかる
もともと夫は何事に対しても慎重に行動をとる性格で、妊娠がわかってからは「今はするのが怖い」とセックスを求めなくなりました。また、妊娠3カ月ぐらいまでは軽いつわりもあったため、夫なりの気づかいもあったと思います。
主治医には、出産直前まで今まで通りセックスをしても大丈夫だと言われていたので、私自身は妊娠中のセックスに対して抵抗は感じませんでした。セックスを求められなくなることに寂しさを感じながらも、妊娠によってとても疲れやすくなっていたので、内心ホッとしていた部分もありました。
子どもが生まれ、気の休まらない毎日
私はアメリカに住んでおり、病院にかかると医療費が高額です。特に問題がない限り、病院の方針で産後24時間ほどで退院になります。産後はお互いの両親に助けを頼めず、退院後は子どもと2人きりで気の休まらない日々を過ごしました。
そして慣れない子育てと疲れで、性欲が湧くどころか、セックスの話題にも触れることすらありませんでした。また、私が出産で腟の内部に軽い裂傷を起こし縫合したのですが、傷口の部分の治りが悪く、産後5カ月ぐらいまで痛みや出血があったのです。これも私たちがセックスから遠ざかる原因になっていたと思います。
気持ちの余裕が出てきて……
子どもが1歳を迎えるころ、離乳食も安定して食べられるようになって、睡眠もほとんど途切れることなく朝まで眠れるようになりました。すると夫から「今夜久しぶりにしてみない?」と切り出され、これが2年近く続いたセックスレスの終わりの時でした。
このころ、子どもが寝たあとは以前のように趣味を楽しむ時間や夫婦2人でゆっくり会話をする時間が持てるようになっていました。夫も気をつかって私の心の余裕が出てくるときを待っていてくれたのかな、と思います。
私たちのセックスレスの原因は、お互いの時間と気持ちの余裕のなさ、そして夫の私への気づかいでした。子どもの成長と共に自然と心の余裕が戻ってきて、また以前の2人に戻れたような気がします。
監修/助産師 松田玲子
イラストレーター/星田つまみ
著者:岡みちこ
アメリカ中西部の小さな町で日本人の夫と1歳の娘の3人暮らし。アメリカの子育て事情や、自身の妊娠・出産・子育てに関する体験談について執筆中。