代わりに洗濯をしてくれるのはありがたいのですが、私たちの寝室に無断で入るのはルール違反。私が何度、自分でしまうと伝えても、勝手に寝室に入りクローゼットの中をのぞく義母。「なんなの、あの地味な下着は?」などと私の下着を物色し、嫌みを言ってきます。あえて別にしておいた下着もわざわざ一緒に洗って、丸見えの状態で外に干すのです。
他にも、「料理が下手」「部屋が散らかっている」「掃除が行き届いていない」など、毎日のように何かしら嫌みを言ってきます。「案外だらしないタイプなのね」「センスも悪いしよく見たらスタイルも悪いわよね」なんて鼻で笑いながら、何も言い返せない私を見て楽しんでいます。
子どもを産むことに対しても、義母はとても批判的です。30歳を過ぎている私には産めるとも思っておらず、産んだら産んだで子育てが下手そう、子どもに愛情がなさそうなどと、とんでもないことを言ってきます。
「息子に捨てられてもいいの?」が口癖の義母
同居してからというもの、義母の言動はきつくなる一方。しかし、義母は同居してから私が義母に対して遠慮がなくなったと嘆いています。ことあるごとに、「あなたが姑いびりをしてくると息子に言うわよ」と脅してくる義母。嫌がらせをして楽しんでいるのは、義母のほうなのに……。
義母は「私は息子にとってたったひとりの肉親。何があっても捨てられない、捨てられるのはあなたよ」と常々言っています。口答えせず、義母の言ったことに素直にうなづいておけばいいのだと言われました。夫に捨てられたくなければ自分の機嫌を取れと言って、「お寿司が食べたい」「車を出して」「買い物するから金を出せ」と、わがままし放題の義母。
義母があまりにやりたい放題なので、夫にも相談し、夫から態度を改めないなら同居を解消すると何度も注意を受けてきた義母ですが、わがままも私への嫌みも改めるそぶりすら見せません。
それでも私はできる限り言うことを聞くようにしていますが、どうしても都合の悪いときもあります。買い物に行くから車を出せと言われたある日、私も用があってどうしても都合がつかず断ると、「だったら10万円よこしなさい」と言われ、私は義母にしぶしぶ10万円を渡しました。そして義母は、上機嫌で外出。
夫に黙って義母に10万円を渡すわけにはいかないので、私は夫にきちんと相談しました。いい機会なので、夫婦のことについて執拗に干渉されることが我慢ならないと夫に相談した私。
子どものことなど夫婦に関することにも、義母は干渉してきますが、私たち2人で決めていきたいと思っていると私が伝えると、夫も同じ意見でした。そして、義母が二言目には必ず「息子に捨てられてもいいの?」と私を脅し、わがままを通してくることについても、夫に話したのです。
「じゃあさ……」
すると夫は、少し考えたあとに衝撃の提案をしてきたのです。義母がまた同じことをしてきたときのために準備をしようと言い、すぐさま行動に出た夫。きっちりした性格の夫は、義母をこらしめる準備を着々と進め、ついにその日がやってきました。
夫からの衝撃の提案とは…?
買い物がしたいからお金をよこせと義母からせがまれたある日。私は夫にその旨、連絡を入れ、夫からの指示通り義母にお金を渡したのです。すると義母は、「今日は素直に言うことを聞くのね」と言いながら、上機嫌で買い物へ出かけて行きました。
それから数時間後……。
「大変なのよ。玄関が開かないのよ! どこにいるのよ! 早く帰ってきて!」
買い物を楽しんで帰宅した義母から連絡が入りました。しかし、私は手が離せない状況だったのでメッセージが読めず……。
「返信が遅い! 私の言うことが聞けないの? 息子に捨てられてもいいの?」
何度か着信もありましたが、取り込み中で私は電話を取れずにいました。すると、義母から再びメッセージが届きます。
「捨てられるのは私ではないかと?」
それから用が済んで、ようやく義母へのメッセージに返信することができた私は、捨てられるのは自分ではないと伝えました。
「は?」
義母は何のことかまるでわかっていない様子。この日から義母とはもう同居しないことになっているのです。私は、ポストに義母がひとりで住む新居の鍵と、住所を記した紙を入れてあると告げました。
私が義母のメッセージにすぐ返信できず、電話も取れなかったのは、義母の荷物を新居に届けてあげていたからなのです。運転中で、スマホを見ることができませんでした。私がこの日、義母に素直にお金を渡した理由はこのため。義母が長時間留守にしている間に、義母の荷物をまとめ、新居に荷物を届けてあげたのです。
私が義母の荷物をまとめ終わったころに夫が帰宅。2人で荷物を車に積み込み、夫が家に残って鍵交換の対応をしてくれている間に、私は義母の新居へ荷物を運びました。鍵交換を終えた夫も合流し、2人で作業を完了させたのです。
鍵を変えたので、もう義母が持っているカギではわが家の玄関は開かないのです!
夫が守ってくれた家族の幸せ
そして夫は、「母さんには何度も態度を改めないなら同居を解消すると話してきたけど、聞く耳を持ってくれないから、こういう最終手段を取らせてもらった」と言い、義母に絶縁を宣言。こうして半ば強引に義母との同居を解消した私たち。
実は、夫がここまで強引に義母を遠ざけたのには理由があります。今、私のおなかには赤ちゃんがいます。あのまま義母と同居していれば、何をされるかわからないので、夫は私とおなかの子の安全を一番に考えて行動してくれたのです。
孫が生まれるなら、なおさら同居したほうがいいと義母は言ってきましたが、夫の決意は固く、子どもを義母に会わせるつもりはないときっぱり。後日、夫は義母と話し合い、最終的に、生活に困らないだけの仕送りをする代わりに、二度と私たち家族に関わらないという条件のもと、絶縁しました。
結局、夫に捨てられたのは私ではなく、義母でした。これからは、夫が守ってくれた幸せな時間を大切に、夫と子どもを全身全霊で愛していこうと思っています。
◇ ◇ ◇
「姑」という立場を利用して、逆らえないよう圧力をかけて、敬意を欠いた言動を繰り返していた義母。言葉の暴力によって得られるのは、真の信頼ではなく、一時的な服従だけです。息子が「捨てる」と決断したのが妻ではなく義母だったことは、当然の結果なのではないでしょうか。夫が守った家族3人の幸せが、この先もずっと続くことを願うばかりです。
【取材時期:2025年6月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。