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「結婚するなら貧乏人よりセレブだろ」実家が農家の私から社長令嬢に乗り換えた彼。真実を知った彼と浮気女の末路は

結婚式を翌日に控えた私。そこに、婚約者から「俺と別れてくれ」と電話がかかってきたのです……。

「結婚式は明日なんだよ? どうしたの?」と聞くと、「俺、お前よりも好きな人ができたんだ……」「彼女と結婚したいと思っている、だからお前との結婚式は中止だ!」と言い出した婚約者。

 

結婚式の前日に、浮気していたことを暴露してくるなんて……。そして、私よりも浮気相手を選ぶなんて!

 

「お前にプロポーズしたあとに彼女と出会って、もう俺の心は彼女でいっぱいなんだ」「もうお前のことなんて好きじゃない、俺のことが好きなら俺の幸せを一番に考えて身を引いてくれ」「そもそも俺は、貧乏人よりセレブと結婚したいんだ!」

 

「ちょっと待って……貧乏人って私のこと?」と聞くと、「そうだよ、お前の実家は代々続く農家だろ?」と婚約者。

 

そして、「農家なんて土まみれで汚れるし、なによりきつい割に稼げないじゃん」「そんな家の娘より、社長令嬢の彼女のほうがいいに決まってるだろ!」と言い出して……?

 

 

農家の娘より社長令嬢を選んだ婚約者

私の実家に挨拶に来てくれたときに、「農家は素敵な仕事です」と言ってくれていた婚約者。私はその一言で安心したのですが、実際のところ、婚約者は想像以上の田舎に驚いていたそう。その直後に出会った社長令嬢の都会的な部分に惹かれたのも仕方ない、と言うのです。

 

しかも、その社長令嬢のお父様は私が勤める会社社長。私とも顔見知り程度の仲ではありました。

 

「浮気されて結婚式前日に捨てられても、さすがに職場の社長のお嬢さんには敵わないだろ? だからここは大人しく俺のことを諦めてくれ」「あと、結婚式場にもお前からキャンセルの連絡を入れておけ」と言われて、私は悔しさのあまりグッとくちびるを嚙み締めたのでした。

 

 

田舎の農家の正体

翌日――。

 

昨日のうちに、式場にはキャンセルの連絡を入れました。本当だったら今頃、人生の晴れ舞台を迎えているはずだったのに……。

 

結婚式、前日に中止にしてごめんな。会場、キャンセルしてくれてありがとうな! キャンセル代なら、社長令嬢の彼女がもう振り込んだってさ!」と、元婚約者から連絡がありました。早速ネットで口座を確認してみると、驚くような金額が振り込まれていました。

 

「これ、キャンセル代よりもだいぶ多いけど……」と言うと、「金のことは気にすんな! 式前日に捨てられたお前がかわいそうだからって、彼女が多額の慰謝料も一緒に振り込んでくれたんだ」と元婚約者。

 

「お前と別れたって言ったら、彼女めっちゃ喜んでくれてさ~。すでに結婚式のことで大盛り上がりしてるんだ」「絶対に海外で挙式したいって、みんな呼ぶんだって言ってさ、諸々入れたらあっという間に結婚式だけで1,000万超えそうだよ」「その金額を見ても彼女、顔色ひとつ変えないんだぜ? さすが社長令嬢って感じだよな~」

 

そんなセレブな金銭感覚を持った箱入り娘の社長令嬢と、元婚約者がうまくいくとは思えませんでした。しかし、「やっぱり嫁にするならお前みたいな貧乏人よりセレブだろw」と、元婚約者はそんなことは気にも留めていないようです。

 

昨日はさすがに傷つき、落ち込んでいた私ですが、なんだか元婚約者の発言を聞いているうちに、彼の本性がわかって気持ちが完全に冷めた私。思わず「なんだか笑っちゃう」と言ってしまいました。「は?」と元婚約者は驚きつつ、「俺たちの幸せがうらやましいからって連絡してくるなよ? 彼女を不安がらせたくないからな!」と続けました。

 

 

私は「仕事も辞めて、地元に戻るからそこは安心して」「前々から私が家業を継ぐ話は出ていたし、ちょうどいいと思って」と話しました。

 

「婚期を逃したアラサー女がきっつい農家の仕事継ぐなんて大変だな! 男に振られて、ジリ貧生活なんて地獄だろうけど、まぁがんばれ」と元婚約者。

 

「うん、年商2億の仕事、がんばるよ」

 

元婚約者は聞き間違えたと思ったのか、「は? なんだって?」と聞いてきました。

 

「だから、年商2億。今までの年商をさらに追い越せるようにがんばるね」

 

「な、なに言ってるんだよ! 農家なんて稼げない仕事の筆頭だろ!? 年商2億なんて嘘に決まってる!」と言う元婚約者に、「そんな時代は終わってるのよ?」と返しました。

 

しっかり経営戦略を練り、従業員を雇って手広くやっている私の実家。自社製品だって販売しているし、福利厚生なら地元ナンバーワン。もちろん天候や気温に左右されることはありますが、それでもしっかり利益を出しているのです。

 

「いやいやいやいや、そんなに稼げるわけないだろ! お前んとこ普通の家だったし、車だって普通車! たくさんあるのは泥だらけのトラクターぐらいじゃん!」と言う元婚約者。

 

「トラクターもコンバインも、そこらへんの高級外車より高いわよ? 」「うちは必要な設備投資にはお金を惜しまないって決めてるから、あれだけ揃えられてるの」

 

「えっ……あれってそんなに高いの……?」と元婚約者は驚いていました。そして、「そもそも、そんな話聞いてないぞ! 結婚の挨拶に行ったときも、年収なんて一切聞いてないし、なんでそんな大事な話、早く言わなかったんだよ!」と逆ギレ。

 

「私だって、あなたのご両親の年収の話なんて一切聞いてないけど?」「それに、言っておいたらなんだったの? 社長令嬢と浮気なんてしなかったって? 結婚式を前日にキャンセルすることもなかったのにって?」と問い詰めると、「あ、いや……その……」と元婚約者は言葉に詰まってしまったようでした。

 

「あなたみたいな人に、実家の年商を伝えておかなくて正解だったわ!」と言って、私はやり取りを終えました。

 

 

大きな魚を逃した元婚約者と箱入り社長令嬢の末路

1時間後――。

 

今度は知らない番号から電話がかかってきました。おそるおそる出てみると、「あんまり調子に乗らないでよね!」と聞き覚えのある声。……元婚約者の浮気相手の社長令嬢でした。おそらく、元婚約者から私の素性を聞き、電話番号を聞き出してかけてきたのでしょう。

 

「年商2億だろうが、しょせんは農家! 東京で会社をやってる私の父とは格が違うのよ!」「たかが農家のくせによくもこの私を馬鹿にしてくれたわね! 父に言いつけて、あんたのとこの農家なんて叩き潰してやる!」と言ってきた彼女。

 

「あの……彼とは婚約破棄しましたし、もう関わるつもりはありません」「だから、あなたからも私に関わってこないでください」「あと、うちの実家を叩き潰すっておっしゃってますけど、うちが倒産したら困るのはあなたのお父様方だと思いますよ?」

 

今後、レストラン事業を開拓する予定のわが社。懇親会で実家が農家であることを話した私のことを覚えてくれていたらしく、「ぜひご実家と契約させてくれないか」と直々に声をかけてきてくれたのです。

 

「上司に退職したいって報告したら、すぐに社長まで話が上がったみたいで、先ほどご連絡をいただいたから経緯はすべてお話しましたよ」と言うと、「え……?」と驚いた社長令嬢。

 

「うちの両親にも事情を話してあるし、『取引は中止にはしない』って意向を伝えたんだけど、社長はあなたにたいそう怒ってらっしゃいましたね」「『到底許される話ではありません、父として、社長として、あなたとご実家に直接謝罪したい』って」

 

そもそも、私たちは同い年で、実家は会社経営。同じような境遇なのに、私はせっせと働き、彼女は毎日遊びたい放題。親として思うところもあったのでしょう。

 

「な……なんで!? 悪いのはあんたなのに! 父が私に怒るなんてありえない!」と悲鳴を上げた彼女。そして、「え……? お父さんから連続で着信来てる! メッセージも! ど、ど、どうしよう!」と焦り始めました。

 

私は「きっとあなたにお話があるんでしょうから、早く出てあげてください」と言って、返事を待たずに電話を切りました。

 

その後――。

 

 

激怒した社長は、娘に対して絶縁宣言。社長令嬢は元婚約者に対して「実家の会社を継いでね!」と言っていたらしく、元婚約者も「後継者は必要ないんですか!?」と食い下がったそうですが、社長は「優秀な社員に引き継がせるから問題ない」と一蹴。

 

親からの絶縁と慣れないアパート暮らしに最初のうちは泣き喚いていた社長令嬢でしたが、「もう開き直って結婚式のことだけ考えたい!」とあっという間にケロリ。「1,000万くらい、すぐに稼げるでしょ?」と元婚約者に言い放ったそう。元婚約者は彼女の世間知らずさに驚き呆れたようで、私に「復縁しないか?」と言ってきました。もちろん、お断りしましたが。

 

私は実家に戻り、親のもとで会社経営について本格的に学び始めました。実際に農地に出て、土まみれになりながら作業することももちろんあります。元婚約者のように理解してくれない人もいるとは思いますが、誇りを持って働き続けたいと思っています。

 

【取材時期:2024年12月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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