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義母「嫁なんだから旅費を出せ!」私「無理ですね」→当日ホテルで義母を襲った悲劇と私の計画

1歳のわが子と夫と3人で、初めての家族旅行。穏やかで、かけがえのない時間になるはずでした。まさか、義母からの1本の電話が、あんな大事件の引き金になるなんて…。これまでの度重なる「お願い」に、私の心はもう限界だったのかもしれません。

 

夫と、1歳になったばかりの子どもと3人で、初めての家族旅行を計画していたときのことです。近所の本屋さんで旅行雑誌を眺めながら、「この温泉宿、素敵だね」「子どもがいても楽しそうかな」なんて話していた、まさにそのときが全ての始まりでした。

 

数日後、義母から「温泉旅行に行くんですって〜? 私たちも一緒に行くわ!」と電話がかかってきました。なぜ知っているのか尋ねると、本屋で私たちを偶然見かけていたようです。


あまりに当然のように「私たちも行きたいわ~♡」と言う義母に、私は「今回は、初めての家族旅行ということで、私たち3人だけで行く予定でして……」と丁寧にお断りしようとしました。すると、義母の声色は一瞬で変わったのです……。

 

義母の突然の割り込み

「はあ!? なんでよ!?」「嫁のくせに私たちを除け者にして旅行って……そんなのあり得ないでしょ!? 孫の初旅行なのよ!? 祖父母が一緒に行くのが普通じゃないの!?」「日程はいつなの!?」


義母の剣幕と、「孫に会えるのを楽しみにしている」という言葉に罪悪感を刺激され、「こ……今週末です……」と答えたあと、私は言葉に詰まってしまいました。

 

すると義母は、「今どきの嫁って本当に身勝手ね!」と一方的に話をまとめ始め、「お父さんにも話してあるから! 今週末なら大丈夫よ! お部屋ちゃんと取っておいてね!」と言い放ち、一方的に電話を切ってしまいました。

 

 

夫との作戦会議と過去の悪夢

すぐに私は夫に電話をかけました。 「今ちょっといい?…さっきお義母さんから電話が来て……今週末の旅行に一緒に行きたいって……」 「……え? 一緒に? うちの親が!? マジか……またそのパターンかよ……」


夫も心底うんざりした様子でした。夫の言う通り、義両親の突然の割り込みは、これが初めてではなかったのです。以前、私たちの結婚記念日の旅行に無理やりついてきた時の悪夢が蘇りました。あの時も、ホテルに着くなり部屋や料理に文句ばかり。あげく「財布を忘れた」と言って一銭も払わず、私たちが立て替えた旅行費は今も返ってきていません。

 

「また全部、台無しにするに決まってる。今回はちゃんと俺が断るよ」と言う夫に、私は自分の正直な気持ちを伝えました。 「きっぱり断りたいけど、『孫に会えるのを楽しみにしてる』って言われると強く言えなくて……。だからせめて、旅費は各自負担っていう線引きだけはしておきたいな」 「そうだな。わかった!今回は俺がちゃんと話す。少なくとも旅費は『各自負担』でって、最初にはっきり伝えよう」


夫の言葉に、私は少しだけ救われた気持ちになりました。


そして旅行の3日前、義母から「旅行が楽しみで、もう友だちにも話しちゃったわ!」とウキウキした様子のLINEがきました。見栄を張って外堀を埋められたようでため息が出そうになるのを堪え、私は本題を切り出しました。


「旅費のことは、夫からお聞きになってますよね?」 「えぇ、もちろんよ! 今回はちゃんと自分たちで出すから、安心してね♡」 あまりにあっさりとした返事に不安になり、「前回のこともあったので……」と食い下がると、義母は「あらやだ〜♡今回は心配いらないわ! ちゃんと、なんとかするから!」と曖昧な言葉を繰り返すばかり。最後は「バッチリ払えるから、大船に乗ったつもりでいてちょうだい♡」と自信満々に言うだけでした。

 

旅行当日、義母からのSOS

そして、旅行当日。

 

私たちは少し早めにホテルに到着し、部屋で子どもを寝かしつけていました。すると、義母から鬼気迫る様子の着信があったのです。


「ちょっと!! 今、ホテルのフロントなんだけど!!ねぇ、なんで私たちだけ入れないのよ!?」 「え……? 入れないって、どういうことですか?」 「チェックインしようとしたら『鍵はお渡しできません』って言われたの!! 予約って本当にちゃんと取ってあるの!?」 「はい、もちろん。言われた通り、お義父さんとお義母さん用のお部屋を予約してあります」 「じゃあ、なんで入れないのよ!!」 「私たちはもうお部屋に入ってます。今は子どもがお昼寝してるので、部屋でゆっくりしてますよ」 「はあああぁ!? そんなことしてる場合じゃないでしょう!?」


私は冷静に、落ち着いた声で伝えました。

 

「お義母さん、少し落ち着いてください」

 

「落ち着けないわよ!『お支払いの確認が取れない』とか言い出す始末よ!? 」「早くフロントに来て! 嫁なんだから支払ってちょうだい!」


私は、はっきりと告げました。

 

「それは無理ですね」

「は?」

 

「お義母さんたちのお部屋は、確かに私が予約してあります。でも支払いは、『現地でご自身で』にしてありますから。その場で宿泊費を払ってください」 「ちょ、ちょっと待って!? そんなの聞いてないわよ!?」 「はい。『今回は自分たちで払うから安心して』って、はっきり、おっしゃってましたよね?」


電話の向こうで義母が息をのむのがわかりました。

 

「じゃあいま、支払わないと部屋に入れないってこと!?」 「そうなりますね。ちなみにこの旅館、オールインクルーシブなので、チェックイン時に支払えば、あとは財布いらずで楽しめるんですよ」 「……まさか……じゃああんたたちは……」 「はい、私たちは事前にカードで支払ってありますから」 「そ、そんなの無理よ! 今、支払いが必要だなんて……」 「え? でもお財布、ちゃんと持ってきてますよね?」 「え、、えっと、あの、それがね……どこかで落としちゃったみたいで……」


お決まりの言い訳に、私は心の中でため息をつきました。 「それは大変ですね! 警察に届けた方がいいですよ!」 「い、いまはいいのよ! とにかく部屋に入りたいの!   お願い!今回だけ立て替えてもらえない!?」 「それはできません。子どものために多少の現金は持っていますが、お義母さんたちの高額な宿泊費を立て替えられるほどの持ち合わせはありません」 「そ、そんな……! じゃあ、私たち……泊まれないの!?」 「最悪の場合、警察に通報されるかもしれませんね」 「なんですって!!?」 「では、私はこれから温泉に行ってきますね。どうぞ、素敵な時間をお過ごしください♡」


そう言って、私は電話を切りました。
 

 

すべては自業自得

休んでいた夫に事の顛末を報告すると、夫はあきれ果てていました。「悪いのは全部、うちの親だ。お前は何も悪くない」と言ってくれ、私たちは義両親のことは気にせず、家族の時間を楽しむことに決めました。夫が念のため、近くに住んでいる叔父さんに連絡を入れてくれたおかげで、こちらに泣きつかれることもありませんでした。


翌日、案の定、義母から「あなたのせいで泊まれずに帰る羽目になり、叔父さんにも怒られて赤っ恥をかいた!」と怒りの電話がかかってきました。「普通、嫁なら立て替えるでしょ!?」 「でも……『今回は自分たちで払うから安心して』って、そう言ったのは、お義母さんですよね?」 「なによその言い方! 嫁のくせに冷たいのよ! 最低!」


もう、我慢の限界でした。


「……お義母さん、そろそろ黙ってもらえますか?」 「はぁ!? なによその口の利き方!」 「ご自身の立場を理解していないようなので。旅行のたびに『忘れた』と言って私に払わせてきたの、もう何度目ですか? 今回で終わりです」 「えっ!?」 「家計を管理するために記録していたら、いつの間にかこれだけの金額になっていました。総額で79万円です。私たちも驚いています。あくまで立て替えた分なので、今後のためにも一度きちんと整理させていただけませんか?」 「……えっ、ま、待って!? それ本気なの!? 年金暮らしの私たちにそんな金額……無理よ!!」


その言葉を聞いて、これまで胸の内に押し込めていたさまざまな感情が溢れ出してきました。

 

「年金暮らしだから大変だろうと、私たちも最初は喜んで協力していたんですよ。でも、感謝の言葉ひとつなく、当たり前のように嘘をつかれ、お金を無心されるうちに……もう、お義母さんたちの言葉を信じることができなくなってしまったんです。私たちの善意は、いつまで続くとお思いでしたか?」 「……そんな……息子にも話すわよ!?」 「もちろん、夫婦で決めたことなので」 「えっ……!!!」 「お金にルーズで、平気で嘘をつくような方々に、安心して大切な子どもを会わせることはできません。親として当然の判断です。それではこれで失礼します」


その後、義両親は親戚中から非難され、肩身の狭い思いをしているそうです。立て替えたお金は、月々数千円ずつしか返済されていませんが、そのおかげで孫に会うこともできず、周囲からも距離を置かれているとか。「嫁に見捨てられた」と愚痴をこぼしているそうですが、誰も相手にしていないと聞いています。


いま、心から思います。本当に大切なものを守るためには、ときにはっきりと「ノー」と言う勇気も必要なのだと。これからは、周りの声に惑わされず、私たち家族の「楽しい」を一番に考えて、たくさんの思い出を作っていきたいです。そして、いつかお義母さんたちが自分の過ちに気づき、心から笑い合える日が来ることを、心の片隅で願っています。

 

【取材時期:2025年8月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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