ご祝儀の額に不満?
結婚のあいさつに来た息子とそのお相手・A子さん。けばけばしい格好だけでなく、まともに話もせずにスマホをいじってばかりのその態度に私たちはドン引きでした。
「A子さん、すっげー美人だろ!? 結婚するんだ!」と浮足立っている息子を前に、私は内心で「さすが、だらしないアンタが選んだだけのことはあるね……。でももう大人なんだから、すべて自分で責任を取りなさい」とあきれていました。
そうして、出会って1カ月というスピード結婚をした息子たち。挙式しないという2人の意思を尊重し、私と夫はご祝儀だけを渡しました。それも、平均的な金額より多めに包んだつもりでした。
ところがその場でA子さんは、「ご祝儀これだけですか?」と不満をぶつけてきたのです。息子も、「もっと多く包めよ」と、完全にA子さんの言いなりでした。
娘はその横柄さに怒り心頭で、「もうお兄ちゃんとは縁を切る! 今まで散々迷惑をかけられたしね!」と叫ぶほど。私も「感謝もないなんて」とがっくり。なるべく距離を取ることにしたのですが……。
誕生日プレゼントまで!?
数カ月後。この非常識な嫁(と息子)からいきなり電話がかかってきたのです。
「もしもし、お義母さん? 私、来週誕生日なんです。狙っている高級ブランドのバッグがあるんですけど……」「それぐらい買ってあげたら? いいだろ母さん」
これには私もあぜん。「いいかげんにしなさい。失礼にもほどがある。もうあなたと息子とは縁を切らせてもらう!」
すると嫁は逆ギレし、何やら息子に指図をしている様子。「言ってやりなさいよ、私がこれまで見逃してきたことを! あんた毎月、実家に多額の仕送りをしているでしょ。知っているんだから! 縁を切るとか偉そうに。大会社勤めの息子に依存している義実家との絶縁なんて、願ったりかなったりよ!」
そして息子も、口ごもりながら言ったのです。「あのさ……嫁が嫌がるから仕送り止めるわ! もう実家にも行かないから」と。
私は苦笑いするしかありませんでした。息子はどうやら嫁にもウソをついているようなのです。
「あっそう。じゃあ好きにしなさい。でも、ウソはいつかバレる。少しは痛い目に遭うといいのよ」
さらに数カ月後…
あの後、本当に振り込みは停止。ずっと息子夫婦は音信不通になっていたのですが、ここ数日A子さんから鬼電が来るように。ついに電話に出てあげると、ものすごい剣幕でこう言ってきたのです。
「お義母さん、今までの仕送り分を返してくださいよ! あの人、結婚前はいっぱい貢いでくれたのに、ここ数カ月はゼロ。大企業の役員なのにお金がないのは実家に仕送りしたせいだって言うじゃない。それ、私たちのモノよ!」
私はついに真実を明かしました。「あのね、息子の振込は仕送りじゃなく、借金返済のためよ。私が肩代わりした分のね。代わってあげるなんて甘やかしたのがそもそも間違いだったわ」
さらにとどめのひと言。「ちなみに息子はたしかに大企業で働いているけど、役員じゃなく平社員ね。あなたに貢ぐためにまた借金していなければいいけど。ま、私たち絶縁したから関係ないわね」
A子さんは心底驚いた様子です。「私をだましたの? 離婚してやる!」と怒鳴り、私との通話をブチンと切りました。その後……。案の定、借金を重ねていた息子は、嫁と大喧嘩の末に離婚しました。
一方、私と夫は、孝行者の娘から温泉旅行をプレゼントされました。息子もいつか改心し、自力で借金を完済したら、娘を見習って親に感謝の気持ちを表してほしいと思っています。
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親には借金を肩代わりさせ、嫁にはウソをつきまくる……。情けない息子でしたね。親子の絶縁は、むしろ良い機会だったのかもしれません。今度こそ、心を入れ替えてしっかり借金を返し、実直になってほしいものです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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